安全不感症が蔓延する韓国で、在韓邦人の安否を確認する訓練が行われた
安全不感症が蔓延している?
何か事故が発生すると公共交通機関は安全対策を再確認するが、セウォル号沈没事故から間もない同年5月2日にも地下鉄事故が起きている。午後3時30分頃、ソウル地下鉄2号線の上往十里駅で蚕室駅方面に向かっていた列車が停車中の列車に追突したのだ。後続列車が脱線し、乗客238人が重軽傷を追った。アナウンスや避難誘導はなく、乗客約1000人が線路に降りて避難したという。
道路の陥没事故も多い。2014年7月にソウル近郊の議政府市で歩道が陥没し、歩いていた30代の女性が転落して病院に運ばれた。15年2月にはソウル龍山駅近くのバス停でバスから降りた乗客2名が突然陥没したシンクホールに落ちている。
相次ぐ道路の陥没事故で国土交通部とソウル市は点検を行っていたが、龍山は調査で見つかった41箇所の危険地域に含まれていなかった。
国民やマスコミは安全を政府に要求するが、防災訓練や予防対策に対して国民自身の意識はそう高くないとも言えそうだ。
2010年と2014年に国境で銃撃戦が起きたとき、ソウル市民は何事もなかったように談笑し、北朝鮮のミサイル発射を受けて2017年8月に行われた民間防空退避訓練に参加する国民は少なかった。統制官の制止を振り切ってバスに乗車する人や信号を無視して自動車を走行させる人、仕事にならないと統制官に詰め寄るタクシー運転手もいたという。
サイレンを鳴らして走行する消防自動車の前に割り込む自動車すらあり、安全不感症が蔓延していると中央日報は伝えている。
韓国に居住し、在留届を提出している日本人は約4万人。安否確認システムの運用開始は2017年で、同年11月に日本人会会員1500人余を対象にシステムの運用を兼ねた訓練を行った。2回目となる今回も訓練対象は在韓邦人の4%に満たない。いざというとき役に立つのか不安が残る。