外資泣かせの北朝鮮ビジネス、また失敗繰り返すか
北朝鮮進出の展望について、マクドナルドに問い合わせたが回答は得られなかった。「北朝鮮は議題に上っていない」という同社最高経営責任者(CEO)の最近のコメントを紹介されただけだった。
前述したソウルでのカンファレンスを共催したコンサルタント会社サムジョンKPMGは参加者に対し、より魅力的なのは新規の鉄道建設などインフラ関連プロジェクトであり、低開発国の支援を目的とした国際機関や各国政府によるコンソーシアムからプロジェクト資金を得られる可能性もある、と語った。
カンファレンスでは、コストやリスクを分担しつつ政治的な懸念を緩和するためには、北朝鮮の同盟国である中国やロシアとの提携を考慮すべきだとの参加者へのアドバイスもあった。
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は4月、北朝鮮の金委員長と北朝鮮内の鉄道や道路の近代化について合意。これを受けて、韓国の建設会社、鉄道車両や鉄鋼メーカーの株価は上昇している。
また、北朝鮮との貿易に対する期待から、中国や韓国の国境近郊都市では不動産価格の回復が見られる。
だが、韓国統一省のShin Hye-seong氏は、経済協力のペースは制裁があるために「期待していたほど早くはならないだろう」と語った。北朝鮮との過去の協力では「複数の問題」が露呈しており、これらの問題を解消するために韓国政府が「体制的な保証」を提供すると述べたが、詳細には触れなかった。
<北朝鮮を信用できるか>
かつて国営電力会社の韓国電力公社(KEPCO)<015760.KS>でCEOを務めたことのあるRieh Chong-hun氏にとって、現在の議論は奇妙なほど馴染み深いものだ。
1995年、北朝鮮が核開発計画を放棄する見返りとして国内2カ所の原子力発電所の建設に協力するべく設立された朝鮮半島エネルギー開発機構において、KEPCOは中心的な契約企業だった。
だが2006年に北朝鮮が核兵器開発を再開したため、わずか3分の1の建設工程が終わった段階でこのプロジェクトは中断され、韓国は11億ドルの出資を回収できないままとなった。
「いまと同じだ。当時、北朝鮮は核兵器を放棄するという大きな約束をして、その見返りに、われわれは原子力発電所を建設することに合意した。当時も北朝鮮を信用してしまったのだ」とRieh氏は語った。
(翻訳:エァクレーレン
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