金正恩、未完成の核兵力でも取引可能と判断? 実験停止で対米譲歩か
米国家安全保障会議(NSC)の報道官は22日、ロイターに対し、トランプ政権が過去の「過ちを繰り返す」ことはないと述べ、米国の合意を取り付けるには北朝鮮は核開発プログラムのほとんどを廃棄する必要がある可能性を示した。
報道官は「われわれはまず、北朝鮮の核プログラムの相当程度の廃棄を求める。非核化が達成されるまで最大限の圧力をかける国際的取り組みは続く」と警告した。
トランプ米大統領は北朝鮮の核・ミサイル実験停止発表を受けて、同国の核問題は解決まで道のりが長いとの認識を示しており、警戒を緩めてはいない。
ワシントンを拠点とする北朝鮮分析サイト「38ノース」のジョセフ・バミューデス氏は、北朝鮮が実験の凍結を継続し、交渉が進展すれば、今回の発表は前向きな決定になると説明。ただ、過剰に楽観視したり、北朝鮮が核廃棄に向かっている兆しと捉えるべきではないとした。
実際、今回の発表がなくとも、昨年9月の大規模核実験と11月のミサイル実験以降、核・ミサイル実験は実質的に凍結されていた。
バミューデス氏は「弾道ミサイル開発を断念したわけでは全くない」と強調。「当面は実験しないというだけで、首脳会談で譲歩を引き出せるとの想定に恐らく基づいているのだろう」との見方を示した。