最新記事

核開発

金正恩、未完成の核兵力でも取引可能と判断? 実験停止で対米譲歩か

2018年4月23日(月)17時00分

米国家安全保障会議(NSC)の報道官は22日、ロイターに対し、トランプ政権が過去の「過ちを繰り返す」ことはないと述べ、米国の合意を取り付けるには北朝鮮は核開発プログラムのほとんどを廃棄する必要がある可能性を示した。

報道官は「われわれはまず、北朝鮮の核プログラムの相当程度の廃棄を求める。非核化が達成されるまで最大限の圧力をかける国際的取り組みは続く」と警告した。

トランプ米大統領は北朝鮮の核・ミサイル実験停止発表を受けて、同国の核問題は解決まで道のりが長いとの認識を示しており、警戒を緩めてはいない。

ワシントンを拠点とする北朝鮮分析サイト「38ノース」のジョセフ・バミューデス氏は、北朝鮮が実験の凍結を継続し、交渉が進展すれば、今回の発表は前向きな決定になると説明。ただ、過剰に楽観視したり、北朝鮮が核廃棄に向かっている兆しと捉えるべきではないとした。

実際、今回の発表がなくとも、昨年9月の大規模核実験と11月のミサイル実験以降、核・ミサイル実験は実質的に凍結されていた。

バミューデス氏は「弾道ミサイル開発を断念したわけでは全くない」と強調。「当面は実験しないというだけで、首脳会談で譲歩を引き出せるとの想定に恐らく基づいているのだろう」との見方を示した。

[ワシントン/ソウル 22日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英中銀総裁、国債利回りのボラティリティー低下望む 

ワールド

ローマ教皇に両肺炎の初期症状、一段の治療必要=教皇

ワールド

中国、WTOでトランプ関税を非難 「一方的で世界貿

ワールド

中国、ウクライナ和平努力を支持 ガザは「交渉材料で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 2
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「20歳若返る」日常の習慣
  • 3
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防衛隊」を創設...地球にぶつかる確率は?
  • 4
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 5
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 6
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 7
    祝賀ムードのロシアも、トランプに「見捨てられた」…
  • 8
    ウクライナの永世中立国化が現実的かつ唯一の和平案だ
  • 9
    1月を最後に「戦場から消えた」北朝鮮兵たち...ロシ…
  • 10
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 1
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 2
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だった...スーパーエイジャーに学ぶ「長寿体質」
  • 3
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン...ロシア攻撃機「Su-25」の最期を捉えた映像をウクライナ軍が公開
  • 4
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 5
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 6
    【徹底解説】米国際開発庁(USAID)とは? 設立背景…
  • 7
    週に75分の「早歩き」で寿命は2年延びる...スーパー…
  • 8
    イスラム×パンク──社会派コメディ『絶叫パンクス レ…
  • 9
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 10
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 9
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中