イタリア総選挙で躍進の政党「五つ星」 政権入りへ妥協の道歩むか
五つ星が得票率50%に達したシチリア島で、五つ星に投票したある有権者は、せっかくの喜びが同盟の台頭で水を差されたと打ち明け、「(同盟を率いる)サルビーニ氏のような人物がもし首相になればイタリアでは人種差別主義が勝利することになると分からないのだろうか」と警戒感を示した。
それでも過去たびたび五つ星の路線が大きく転換したにもかかわらず、支持者のディマイオ氏に対する忠誠心は変わらないことが証明されており、今後の決定がどうなろうと草の根レベルの反発が起きる公算は乏しい。五つ星のウェブサイトに5日掲載された支持者からの声は、必要ならどんな相手と組んでも政権を担ってほしいというものが大勢だった。
五つ星にとって、既存政党としての特徴が最も強いPDと連携する道も、許容度という面では同盟とそれほど差はないかもしれない。しかし次期首相を選ぶマッタレッラ大統領にとっては、同盟の場合よりもずっと受け入れやすい組み合わせになるだろう。
またディマイオ氏が軌道修正したことで、五つ星とPDの欧州問題や福祉、税制に関する立場に極端な違いはなくなった。
ディマイオ氏とマッタレッラ氏から見ると、幅広い政党連合による連立が恐らく最も好ましい。議会で安定多数を確保し、事前に合意した改革策が承認される可能性が一番大きくなるからだ。
(Gavin Jones記者)
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