トランプ、ティラーソン国務長官を更迭 後任に強硬派ポンペオCIA長官
3月13日、トランプ米大統領はティラーソン国務長官(写真左)を更迭し、後任にポンペオ中央情報局(CIA)長官(右)をあてると発表した。写真はそれぞれ今年3月と2月に撮影(2018年 ロイター/Jonathan Ernst (L) Aaron P. Bernstein (R) )
トランプ米大統領は13日、ティラーソン国務長官を更迭し、後任にポンペオ中央情報局(CIA)長官を充てると発表した。
トランプ、ティラーソン両氏の間で、北朝鮮やロシア、イラン政策を巡って意見の食い違いが表面化していた。
更迭人事は、ツイッターで明らかにした。CIA長官の後任にはハスペル副長官がつく。
トランプ氏はホワイトハウスで「長い間話し合ってきたことだ」「われわれは実際には非常にうまくやってきたが、複数の案件で意見が異なった」と説明。イラン核合意を見解不一致の一例に挙げた。
一方、ポンペオ氏の思考プロセスは自身と似ているとした。
国務省高官らによると、ティラーソン氏は更迭理由を把握しておらず、職にとどまる意向を示していたという。
ホワイトハウス高官は、トランプ氏が9日、ティラーソン氏に退任を求めたが、アフリカ訪問中に発表しない考えだった。
ティラーソン氏がワシントンに戻ったわずか数時間後に、トランプ氏がツイッターで発表した。
ポンペオ氏は政権内の体制支持者とみられており、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長との会談予定や貿易交渉を控え、国務長官に据える意向を示していたという。
トランプ、ティラーソン両氏の間には、これまでもたびたび見解の不一致がみられていた。昨秋にはティラーソン氏がトランプ氏を「ばか」と呼び、辞任を検討していると報じられ、両者の緊張関係がピークに達した。
トランプ氏が先週、北朝鮮の金委員長と初会談を行う意向を表明した際、ティラーソン氏には知らされなかったもようだ。
トランプ氏は「ポンペオCIA長官が、新しい国務長官に就任する。素晴らしい手腕を発揮してくれるだろう!ティラーソン氏にはこれまでの貢献に感謝したい!ハスペル氏が新しいCIA長官に就く。女性初だ。みんな、おめでとう!」と述べた。
ポンペオ氏は陸軍出身の元下院議員で、トランプ氏に忠実とみられている。
ホワイトハウス高官によると、トランプ氏は金委員長との会談前に自身の新しいチームを整えたかったという。