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イタリア

あのベルルスコーニが再び政局の中心に

2018年1月13日(土)15時30分
ビル・エモット(英エコノミスト誌元編集長)

新制度で最大限の恩恵を受けるのは、選挙前に連立で合意した政党。つまり、ベルルスコーニ率いる中道右派連合だ。94年と01年、08年の選挙で勝利したときもそうだが、ベルルスコーニの最大の強みは常に政党連合を作ってきたことだろう。

彼が党首を務めるフォルツァ・イタリアの主な連立相手は、反移民でユーロ懐疑派で地方分権派のレガ・ノルド(北部同盟)だ。その野心的な党首マッテオ・サルビニを相手に、統一候補の選定交渉をするという面倒はあるが、それでもベルルスコーニには追い風が吹いている。難民・移民の流入に対する有権者の怒りや、五つ星が招きかねない混乱に対する不安は、ベルルスコーニ率いる中道右派連合に有利に働きそうだ。

彼らが絶対多数を獲得することは難しいだろうが、可能性はゼロではない。いずれにしても躍進をみせれば、老いたベルルスコーニにとっては大きな返り咲きだ。過半数を得られればベルルスコーニが首相を選ぶだろうし、中道右派と中道左派の大連立政権の交渉で中心的役割を果たすことだって考えられる。

何より注目すべきなのは、そうした展開になったとしても、まともな結果として人々に広く受け止められるだろうということだ。五つ星を中心とした少数与党の政府というもう1つの可能性に比べれば、安心できるというわけだ。

ベルルスコーニはイタリア政治の救世主になるか? それもあり得なくはない。

From Project Syndicate


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[2018年1月16日号掲載]

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