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ロシアとイランがさらうシリア内戦後の復興利権

2017年11月1日(水)17時40分
ベサニー・アレン・イブラヒミアン

他の国々も動きだしている。ブラジルのヌネス外相は10月19日、シリアとの国交正常化と12年に閉鎖した大使館の再開を目指すと語った。復興事業へのブラジル企業の参加を後押しするための措置だ。国際見本市には、少なくとも3000億ドルといわれる復興事業を当て込んだ欧米の中小企業数社も参加した。

とはいえ、復興事業はシリア全体に恩恵をもたらすわけではない。反アサド派のエリートは既に大半が国外に脱出済み。国内に残った政権支持派が外国企業と組んで利権を獲得すべく新規事業を立ち上げている。

地域格差が出るのも確実だ。アサド政権は反政府勢力の拠点になった地域に復興資金を回す気はないと、英王立国際問題研究所のリナ・ハーティブは言う。「アサド政権はシリア全体の復興には興味がない。関心があるのは政権に忠実な地域だけだ」

援助団体は、こうした復興の偏りは内戦中に顕在化した分断と人権侵害を固定化することにしかならないと懸念している。オックスファム、セーブ・ザ・チルドレン、ケア・インターナショナルを含む複数の援助団体は、今春に共同声明を発表。人権を尊重しないアサド政権の主導で行われる「復興支援は、むしろ害のほうが大きくなる可能性がある」と警告した。

From Foreign Policy Magazine

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[2017年10月31日号掲載]

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