カタルーニャ独立、自治権停止時のカギ握る州警察の動き
スペイン政府と独立推進を目指す州指導者との数カ月に及ぶ対立は、州警察内部の士気を徐々に低下させてきた。警察官や組合関係者によれば、独立反対派の警官数百人が辞職しようとしているという。一部には、独立支持派の同僚たちから疎外されているという不満もある。
全国規模のARP警察官組合を率いるルイス・ミゲル・ロレンテ氏によれば、約200人のカタルーニャ州警官が、国家警察への入隊方法についての情報を求めて同組合に問い合わせてきたという。
カタルーニャ州では独立支持派・反対派双方による数十万人規模に上る街頭での抗議行動が発生しており、スペイン政府はカタルーニャ州に約4000人の警察官を増派している。
増派された警察官らはバルセロナ港に停泊する2隻のクルーズ客船に宿泊している。1隻には、マンガのキャラクターである黄色い鳥の「トゥイーティー」と猫の「シルベスター」のペインティングが施されており、「トゥイーティー」は独立支持の活動家数人により独立運動のマスコットとして採用されるに至った。
住民投票の参加者は圧倒的に独立を支持したが、スペイン残留を望むカタルーニャ人はもっぱら投票をボイコットしたため、投票率は約43%にすぎなかった。独立派は、住民投票の結果によって国家としての独立が信認されたと述べている。
スペインは、独裁者フランシスコ・フランコの死により、1975年にようやく民主主義を取り戻した。フランコ体制下でカタルーニャの言語・伝統は抑圧されていた。
準備万端
これまでの独立運動は平和裏に行われてきたが、今回の住民投票で明らかになったように、独立を阻止するために、独立派の多くが軽蔑する国家警察を中央政府が動員すれば、対立はあっというまにエスカレートする。もし州警察が再び静観するならば、国家警察が再び介入するだろうと中央政府の高官は指摘する。
スペイン上院がラホイ首相の計画を承認するまでは、引き続きカタルーニャ政府が自治権を握っており、挑戦的な態度を崩さないカタルーニャ政府は今週、州警察を含む州の公務員は、引き続き州政府及び州議会の指示に従うだろうと述べた。
これにより、プッチダモン州首相や州議会議員らがオフィスを離れることを拒否したり、彼らの支持者がオフィスを占拠することで抵抗を支えたりする懸念が生じている。
内務省の当局者によれば、中央政府はカタルーニャ州警察の上層部を入れ替えるだけでなく、州政府の主要建物から州警官を移動させ、代わりに国家警察を配備するという。
州警察と国家警察の関係は現在、最悪の状態にあり、新たな共同捜査などは、まったく開始されていないという。
(翻訳:エァクレーレン)
[バルセロナ 24日 ロイター]
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