最新記事

税制

EU首脳、ネット企業への課税強化を検討 来年初頭には提案策定

2017年10月20日(金)17時13分

10月19日、ブリュッセルで開かれた欧州連合(EU)首脳会議は、大手インターネット企業への課税に関する提案を欧州委員会が2018年初頭までに取りまとめることに期待すると表明した。写真はボスニア・ヘルツェゴビナのゼニツァで2015年5月撮影(2017年 ロイター/Dado Ruvic)

19日にブリュッセルで開かれた欧州連合(EU)首脳会議は、大手インターネット企業への課税に関する提案を欧州委員会が2018年初頭までに取りまとめることに期待すると表明した。

ただ、EUの取り組みは国際的な動きに合致する必要があるとも指摘し、多くのネット企業が拠点を置くアイルランドなどの諸国への配慮をにじませた。

EU加盟国の間では、米アルファベット傘下のグーグルやフェイスブックなど大手ネット企業への課税強化が必要かどうかについて意見が分かれている。税率の低いルクセンブルクやアイルランドなどは、国際的な取り決めがないまま課税が強化されれば自国の競争力が阻害されると懸念している。

EU首脳会議は総括文書で「18年初頭までに欧州委が適切な提案を行う」ことに期待していると表明。ただ、「経済協力開発機構(OECD)が進めている取り組みに合わせ、国際的な競争条件を平等にする」必要があると指摘した。

欧州委は先月、ネット企業課税について3つの案を示した。ネット企業の課税ベースを利益から売上高に変更するなどの内容となっている。

EUは加盟国が12月までに妥協案で合意することを求めており、これを基に提案を行う見通し。提案はOECDにも送付する。

ただ、加盟国は税制問題に関して拒否権を持っているため、欧州委の提案に反対する諸国が阻止に動く可能性がある。

[ブリュッセル 19日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザ南部、医療機関向け燃料あと3日で枯渇 WHOが

ワールド

米、対イスラエル弾薬供給一時停止 ラファ侵攻計画踏

ビジネス

米経済の減速必要、インフレ率2%回帰に向け=ボスト

ワールド

中国国家主席、セルビアと「共通の未来」 東欧と関係
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食...止めようと叫ぶ子どもたち

  • 3

    習近平が5年ぶり欧州訪問も「地政学的な緊張」は増すばかり

  • 4

    いま買うべきは日本株か、アメリカ株か? 4つの「グ…

  • 5

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 6

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 7

    迫り来る「巨大竜巻」から逃げる家族が奇跡的に救出…

  • 8

    イギリスの不法入国者「ルワンダ強制移送計画」に非…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 7

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 8

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 9

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 9

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 10

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中