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税制EU首脳、ネット企業への課税強化を検討 来年初頭には提案策定
10月19日、ブリュッセルで開かれた欧州連合(EU)首脳会議は、大手インターネット企業への課税に関する提案を欧州委員会が2018年初頭までに取りまとめることに期待すると表明した。写真はボスニア・ヘルツェゴビナのゼニツァで2015年5月撮影(2017年 ロイター/Dado Ruvic)
19日にブリュッセルで開かれた欧州連合(EU)首脳会議は、大手インターネット企業への課税に関する提案を欧州委員会が2018年初頭までに取りまとめることに期待すると表明した。
ただ、EUの取り組みは国際的な動きに合致する必要があるとも指摘し、多くのネット企業が拠点を置くアイルランドなどの諸国への配慮をにじませた。
EU加盟国の間では、米アルファベット傘下のグーグルやフェイスブックなど大手ネット企業への課税強化が必要かどうかについて意見が分かれている。税率の低いルクセンブルクやアイルランドなどは、国際的な取り決めがないまま課税が強化されれば自国の競争力が阻害されると懸念している。
EU首脳会議は総括文書で「18年初頭までに欧州委が適切な提案を行う」ことに期待していると表明。ただ、「経済協力開発機構(OECD)が進めている取り組みに合わせ、国際的な競争条件を平等にする」必要があると指摘した。
欧州委は先月、ネット企業課税について3つの案を示した。ネット企業の課税ベースを利益から売上高に変更するなどの内容となっている。
EUは加盟国が12月までに妥協案で合意することを求めており、これを基に提案を行う見通し。提案はOECDにも送付する。
ただ、加盟国は税制問題に関して拒否権を持っているため、欧州委の提案に反対する諸国が阻止に動く可能性がある。