北朝鮮、4000人が働く世界最大級の美術工房 「アート」で外貨獲得へ
長期的なビジネス
国連安保理が8月に課した制裁対象は万寿台創作社だけだったが、9月の合弁事業を対象とした制裁では、北朝鮮労働者も規制されることになった。この組み合わせは、アート業界の関係者全てに影響する可能性があると、丹東のトレーダーはいう。
だが抜け道はあるという。
例えば、万寿台創作社の作品を、制裁対象ではない別のスタジオ名義で売ることもできる。アーティストは、労働ビザではなく文化交流ビザで中国に滞在している。また、この地域の経済では、現金ではなく絵画を物々交換する取引が長年行われていると、2人のビジネスマンが明かした。
中朝国境の東端にある中国の延吉市の中国骨董商Zhao Xiangchen氏は、丸めた北朝鮮絵画を持って国境を超え、持ち込んでくる人は多いと話す。Zhao氏の店の骨董商品は埃をかぶっていたが、同氏は北朝鮮絵画をオンラインで販売している。
制裁措置が発表されて以降、中国人顧客はより慎重になったという。
「だが私は、長期的にビジネスを考えている。北朝鮮アートへの潜在的需要は巨大で、伸びしろしかないと思う」と、Zhao氏は話した。
(Sue-Lin Wong記者, Giselda Vagnoni記者、Fanny Potkin記者、翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)