中国「一帯一路」効果現れる 企業の海外金融会社買収が活発化
中国商務省傘下のシンクタンク、中国世界貿易組織研究会のHuo Jianguo副会長は「中国は(一帯一路プロジェクトに)国際的な機関に参加してもらうのに苦心している。このままだと一人芝居になってしまい、長くは持たない」と述べ、海外の金融機関買収によって「わが国の銀行資産を拡大し、わが国の海外プロジェクトに対する外国企業の参加に弾みをつける」狙いがあると説明した。
海外銀行への出資や買収は、海外の規制当局が目を光らせているため、おいそれと実施できるわけではない。しかし銀行がだめなら資産運用会社や保険会社、ウェルスマネジャー(富裕層向け資産運用会社)を狙えば良い。
中国光大は海外で資産運用会社やプライベートバンク、保険会社の買収を計画しており、関係筋によると招商銀行<600036.SS>は欧州でウェルスマネジャーの買収を熱心に検討している。
法律事務所ベーカー・マッケンジー(香港)のパートナー、クリスティーナ・リー氏は「中国の金融機関は概して国内に特化している。M&Aは国際金融の舞台でエクスポージャーと専門性を広げる手っ取り早い手段だ」と述べた。
(Julie Zhu記者 Sumeet Chatterjee記者)