最新記事

アメリカ政治

アメリカ税制改革案、法人税20%に下げ 個人の最高税率も引き下げ

2017年9月28日(木)09時44分

9月27日、トランプ米大統領は、税制改革案を発表した。焦点となる連邦法人税率は現行の35%から20%に引き下げる。インディアナポリスで撮影(2017年 ロイター)

トランプ米大統領は27日、税制改革案を発表した。焦点となる連邦法人税率は現行の35%から20%に引き下げる。個人所得税は現在7段階に分かれている税率を12、25、35%の3段階に簡素化するほか、最高税率を39.6%から35%に引き下げる。

また、個人事業主やパートナーシップなど、いわゆるパススルー企業に課す税率を25%に設定する。

抜本的な税制改革が実現すれば、レーガン政権下の1986年以来、約30年ぶりとなる。

インディアナ州で演説したトランプ大統領は、税制改革案は米国史上で最大の減税であり、「米国民にとって歴史的な減税となる」と強調。税制改革を通じ、「成長促進、雇用創出、労働者と家族の支援を目指す」と述べた。

大統領は記者団に対し、改革案を実現しても富裕層への恩恵はほとんどないと語った。また法人税率の20%への引き下げについては、当初15%への引き下げを要求しており、20%の水準について交渉するつもりはないと述べ、これ以上譲歩しない考えを示した。

ホワイトハウスは、今回の税制改革案で、典型的な中間所得層は連邦所得税の課税対象が縮小される恩恵を受けると説明。トランプ大統領は、単身世帯なら1万2000ドルまで、共働き夫婦の世帯では2万4000ドルまでの所得は課税対象とならないと述べた。

減税の財源確保や費用などについては詳細を明らかにしなかった。共和党は、税金の抜け穴を埋めることで歳入が増え、より高い経済成長を実現できると主張する。税制調査団体のこれまでの試算によると、税制改革に伴い連邦政府の歳入が今後10年間で最大5兆9000億ドル落ち込むとみられる。

25%のパススルー税については、米企業の約95%がパススルー企業であるといわれるなか、同企業には現在、個人所得税の最高税率39.6%が課税されており、パススルー税の導入で税負担は軽減される見通し。この他、住宅ローンや寄付などを除き、税控除の一部が廃止される。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

著名投資家バフェット氏、死後に残る資産の99.5%

ビジネス

トランプ氏、中国に10%追加関税表明 メキシコ・カ

ビジネス

マスク氏のニューラリンク、脳インプラントの実現可能

ワールド

米中の動向、引き続き高い関心持ち注視=トランプ氏の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳からでも間に合う【最新研究】
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではなく「タイミング」である可能性【最新研究】
  • 4
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 5
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 6
    テイラー・スウィフトの脚は、なぜあんなに光ってい…
  • 7
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 8
    「典型的なママ脳だね」 ズボンを穿き忘れたまま外出…
  • 9
    日本株は次の「起爆剤」8兆円の行方に関心...エヌビ…
  • 10
    バルト海の海底ケーブル切断は中国船の破壊工作か
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 6
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 7
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 8
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 9
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 10
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 6
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 7
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 8
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中