「次の次のインドネシア大統領」が語るイスラム急進化の真実
分断についてだが、いかなる選挙でも分断は生まれる。アメリカ大統領選もそうだった。ジャカルタも含め、ソーシャルメディアは二極化している。実際の生活でも人々は二極化しているが、ソーシャルメディアほどではない。
私はいかなるグループと会うことも躊躇しない。いかなるジャカルタ市民も候補者と会う権利がある。極右のFPIとも極左とも、最上層の人々とも底辺の人々とも会った。不幸なことにメディアは極右にだけ関心をもつ。キリスト教徒とも仏教徒ともヒンドゥー教徒とも会ったのだが。われわれは現実を見失いがちだ。
私は民主主義を信じるリベラルな人間だ。誰もがいかなる考えも持つ権利を保障されている。もし誰かが「地球は四角い」と言っても、私には「地球は丸い」と強制する権利はない。もし誰かが私に強制したら、警察を呼ぶが(笑)。
分断解消のためには、第1に各勢力とコミュニケーションを取る。第2に、いかなる人にも(ジャカルタの行政に)参加してもらう。スラム問題が深刻だが、私はバスキ支持者にこう言った。「私を好きになってくれなくていいが、貧しい人々を一緒に助ける取り組みに参加してほしい」と。第3に格差問題に取り組む。格差あるところに協調なし、だ。
わが陣営は58%の得票率で勝ったのだが、ジャカルタ市民の58%が極右だなんて、そんな話は信じられない。インドネシア科学院(LIPI)の調査によれば、バスキ陣営は選挙運動で宗教問題に集中しすぎた。われわれは政策にフォーカスした。
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――ジョコ大統領の与党である闘争民主党(PDIP)、そしてジョコ大統領との関係はどうなるのか。
私は14年の大統領選でジョコの広報官だった。広報官だったから関係は緊密だった。そして当選後、教育相に任命され、自分の責任として教育問題に取り組んだ。そして16年、ジョコは私を閣外に出すことを決めた。知事選に出ることなど考えたこともなかったが、世論調査で私の名前が候補者として挙がり、準備を始めた。
大統領のチームとも闘争民主党とも個人的なつながりは維持している。選挙で闘争民主党はバスキを支持したが、私は中央政府のジャカルタでの事業を支持する。ジャカルタが中央政府の事業やジョコ大統領を邪魔することはない。私が戦ったのはバスキであり、大統領ではない。