ソ連支配の記憶を消したいポーランド、「報い」を誓うロシア
2017年7月20日(木)17時00分
一方、ポーランド政府はロシア外務省のマリア・ザハロワ外務省報道官が新法の中身をきちんと理解せずに、「ポーランドの信用を傷つける」ような反応をしたと非難している。
「マリア・ザハロワが言及した法律は赤軍兵士の埋葬場所にある記念碑の変更を意図したものではない」と、ポーランド外務省は19日の声明で述べた。「ポーランド人、ウクライナ人、ロシア人、その他の人々を犠牲にした全体主義のシンボルを美化することを防ぐための法律だ」
【参考記事】ポーランド右傾化で高まるEUとの対立懸念
第2次大戦の歴史認識をめぐり、ロシアとポーランドは対立を続けている。ロシアはソ連軍がナチスの支配から東ヨーロッパを解放したと主張しているが、ポーランドにすれば、ナチスの侵攻後に東部に侵攻し、ポーランドをナチスと分割占領したソ連軍への怒りは消えない。
戦後ポーランドは再び独立を果たしたものの、ソ連の後ろ盾を得た社会主義政権が成立し、冷戦期を通じてソ連の衛星国となった。これが、ポーランドが今、記憶からかき消そうとしている歴史だ。
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