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暗殺事件

金正男の長男ハンソル名乗る動画 身柄保全にオランダが関与か

2017年3月9日(木)12時50分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

ネットにアップされた金正男の息子キム・ハンソルと見られる人物  動画の画面より

<北朝鮮によって暗殺されたとされる金正男の息子・キム・ハンソルを名乗る動画がネットに公開され、各国は本人かどうか確認に追われた。動画を投稿した団体は、身柄の安全確保に韓国駐在オランダ大使を中心に4カ国が関わったとしているが、オランダ側は沈黙を守っている>

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄・金正男がマレーシアのクアラルンプール空港で殺害されてから3週間あまり。マレーシア警察当局は一貫して、遺体の身元確認と引き渡しを金正男の家族に呼びかけてきたが、これまで反応はなかった。

ところが7日、金正男の息子ハンソルだと名乗る動画がYouTubeに突然投稿され波紋を呼んでいる。

問題の動画は、「KHS Video」と題された40秒ほどの短いもので、白バックを背景にキム・ハンソルと見られる若い男性が画面に向かって語りかけている。

「私はキム・ハンソルです。北朝鮮の金氏一家の一員です。私の父は数日前に殺害された」と英語で述べている。また「今は母、妹と一緒にいる。早く(状況が)よくなることを願っています」と話した。

パスポートを画面に見せるところでは、北朝鮮の公務旅行用(外交官用)のパスポートらしきものが見えるが、名前や写真の部分が黒塗りされて確認ができない。また、関係者への感謝の言葉などについて語るような場面も音声が消され、口元も黒塗りされて、詳細については特定されないように処理されている。

動画は7日付けで「Cheollima Civil Defense」(千里馬民間防衛)というユーザー名で公開されているが、アップされたのは8日のもようだ。動画の詳細画面には「북조선 사람들에게(北朝鮮の人々へ)」とハングルで書かれており、この団体のWebサイトへのリンクもついている。リンク先のWebサイトにもこのYouTube動画が埋め込まれ、脱北者支援のメッセージが英語とハングルで書かれている。

果たして、この男は本当に金正男の息子ハンソルなのか、そしてこの「Cheollima Civil Defense」という団体はどういう組織なのか。韓国をはじめとする各国は確認に追われた。

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