最新記事

生活習慣

家族との「仲」より「距離」を大切にする人が幸せになれる

2017年3月8日(水)16時04分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

izusek-iStock.

<家族との仲を大切にするだけでは、いずれお金に困ることになり、幸せにもなれない。「隠れ貧乏」を脱するための処方箋その5>

お金のことで家族ともめ、実は孤独なのがお金持ち。お金がなくても家族で仲良く暮らし、幸せなのが貧乏人。そんなイメージはないだろうか。

本当に大切なのは、家族との「仲」よりも「距離」だと、桜川真一氏は言う。

兄の会社が倒産し、3億円の保証金を背負って自己破産寸前となった桜川氏は、そこから不動産と株で3億円の資産をつくることに成功。お金持ちへのステップを登り始めるなかで彼が見出したのが、「いつもお金がない」から抜け出す処方箋だった。

桜川氏によれば、自覚のない貧乏、すなわち「隠れ貧乏」な人が、いちばん危険だ。今は大丈夫でも、結婚したとき、子育てのとき、あるいは退職したときなど、ライフスタイルの変化を機に生活が苦しくなる。

ここでは、桜川氏の著書『貧乏は必ず治る。』(CCCメディアハウス)から一部を抜粋し、5回に分けて転載する。第5回は「家族との仲を大切にする貧乏人 家族との距離を大切にするお金持ち」より。距離を大切にするとは、一体どういう意味なのか。

※第1回:買い物を「わり算」で考えると貧乏になります
※第2回:情報を多くもっている人が仕事ができるわけじゃない
※第3回:友達の多い貧乏人、友達の少ないお金持ち
※第4回:「どうにかなる」と言う人はお金持ちになれない

◇ ◇ ◇

家族との仲を大切にする貧乏人 家族との距離を大切にするお金持ち

 お金持ちのイメージの一つに、友達や家族にも相手にされず孤独という姿がよく描かれます。また、お金持ちの家では、遺産相続をめぐって家族がもめるなんて話もよく聞きます。最近では、「相続を争続にしない」といったような内容の本や雑誌の特集も見かけるようになりました。

 一方、お金がなくても仲良く暮らす家族を、美しい家族の形として取り上げるテレビ番組を見かけます。家族の仲がいいのが一番ということで、番組は構成されています。こういったテレビ番組をよく見かけるのは、世間一般には、お金があるより家族仲がいいことが一番だという内容のほうが受けるからなのでしょう。

 会社員で高い給料をもらっていても、貯金がほとんどない家庭があります。もちろん、住宅ローンが高いという理由もあるでしょうが、案外多いのが教育費の出費が多すぎてお金が貯まらないという家庭です。塾に水泳や英会話の習いごと、中学校から私立に通わせて、大学まで私立だったら、ほとんど貯金もできない。さらに悲惨なのが、40歳を過ぎてから結婚して、子どもが大学を卒業するころに自分は退職。結局、子どもの教育費にお金がかかりすぎて、自分の老後に向けての蓄えがなく、「老後破産」という現実が待ち受けているのです。

 塾や習いごとに通わせ、私立のいい学校に行かせ、子どもの送り迎えに時間を割き、本当にお金も時間も子どものために費やしたのに、肝心の子どもは大学を卒業したら、家にも寄りつかないなんて話もよく聞きます。

 こんなことを書いていると、これから結婚・子育てをしようと思っている人は、家庭を持つのは大変だと思うかもしれません。いえいえ、結婚・子育てって大変なところもあるけど、楽しいですよ。ただ、家庭が楽しくあり続けるためには、お金の面で冷静な家族の距離感が大切だと言いたいのです。

 人にとって、幸せ・不幸せを左右する大きな要素に家族との関係があります。どんなに困っても家族が団結すれば大丈夫なんて言いますが、実際は、お金が左右することが多いのです。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

台湾外交部高官、イスラエルを最近訪問=関係筋

ワールド

韓国、投資促進へ銀行・商業規制の緩和計画

ワールド

日米が共同飛行訓練、10日に日本海で 米軍のB52

ワールド

〔アングル〕長期金利2%接近、日銀は機動対応に距離
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 2
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 3
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎の物体」の姿にSNS震撼...驚くべき「正体」とは?
  • 4
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 5
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキン…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    「正直すぎる」「私もそうだった...」初めて牡蠣を食…
  • 8
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 9
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 10
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中