韓国、米国防長官とサード配備を確認 中国との訣別に踏み切る?
こうした中国の締め付け強化に韓国側も最近では反撃をしようという動きを見せている。
韓国外交部の関係者は1月25日に「中国のサード報復対策を関連部署の協力のもとで検討しており、被害を最小化する方法のひとつとして国際法に訴えることも考えられる」と明らかにした。この関係者は「WTO提訴も方法のひとつに含まれる」と明言した。従来は中国側に配慮して憶測レベルで報じられていた中国による"韓国いじめ"を、明確な政治レベルの問題として取り上げようという韓国政府の態度の変化がうかがえる。
また、韓国法務部が最近、中国人講師のビザ延長を拒否したことも話題になっている。韓国MBCによると、中国政府は世界各地に中国文化の普及を目的として"孔子学院"という教育機関を設置しており、韓国にも22か所設置されているという。そのうち、仁川にある大学に併設された"孔子学院"で5年前から働いている中国人講師が、最近ビザの再延長を拒否されたのだ。これについて韓国法務部は、「当該講師は外国語指導を目的とするE-2ビザを取得して入国したが、給与は大学ではなく中国政府から支給されていた」と説明する。E-2ビザは国内の企業から給与を受け取ることが条件として発給されるビザだ。突然の発給停止について法務部は「今まで現状把握ができていなかったからで、今回初めての事例が中国人だった。あくまで原則にのっとった決定で、政治的な意図はない」と語っているという。
サード配備に中国だけでなくロシアまで反発
こうしたサード配備を巡る中国との関係悪化に加え、今回のマティス国防長官によるサード年内配備確認発言はロシアも刺激してしまったようだ。アレクサンドル・チモニン在韓ロシア大使は3日韓国メディアとの懇談会で「ロシアは韓国へのサード配備をアメリカのグローバルミサイル防衛計画の一環、ロシアの安全保障に対する脅威と認識している。サードは朝鮮半島情勢や域内の安全保障に対して脅威を与えることになるだろう。もし配備されることになれば、ロシアは自国の安全を守るため、一定の措置をとることになるだろう」と警告した。
朝鮮半島の安全保障は、サード配備をきっかけに大きな転換点を迎えようとしているようだ。