最新記事

キャリア

M&Aは悪? 堀江貴文氏は「金だけが無色透明」と言った

2017年2月3日(金)15時37分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

rs-photo-iStock.

<ファイナンスとは何か。なぜ重要なのか。そしてM&Aの本質とは。『ビジネスの世界で戦うのならファイナンスから始めなさい。』シリーズ最終回>

今はさながら「ファイナンス」のプチ・ブーム。しかし、「実際にビジネスで『使える』ファイナンスの技術をもっているのはごく一部の人だけ。いま、ビジネスの世界では事業家(=ファイナンス人材)が圧倒的に不足している」と、正田圭氏は言う。

1986年に生まれ、15歳で起業。現在、M&Aの最前線で活躍する若き実務家である正田氏は、新刊『ビジネスの世界で戦うのならファイナンスから始めなさい。』(CCCメディアハウス)でまずファイナンスを定義づけし、その後、実際のM&A事案を紹介しながら、ファイナンスに関する考え方や技術をわかりやすく解説。数式を使わずに、ファイナンスの本質を明かしていく。

なぜファイナンスが重要なのか。それは、現代において企業の成長にはM&Aが不可欠であり、そのM&Aを支えているのがファイナンスの技術だからだと、正田氏は説明する。

ここでは本書から一部を抜粋し、4回に分けて掲載する。第4回は「第5章 M&Aとは何か」より。果たしてM&Aの本質とは?


『ビジネスの世界で戦うのならファイナンスから始めなさい。』
 正田 圭 著
 CCCメディアハウス

※第1回:「使えるファイナンス」をもつ人材が日本に足りない
※第2回:ファイナンスは教養、「物の値段」を考えること
※第3回:英語やプログラミングより「ファイナンス」を始めなさい

◇ ◇ ◇

企業のトップはなぜM&Aを行うのか

 ここまでの話をまとめてみましょう。

・ファイナンスとはものの考え方(フレームワーク)である
・ファイナンスの醍醐味はM&A(会社に値段をつけること)にある
・ファイナンスの技術が発展したのは意外と最近である
・企業のトップが求めているのはファイナンス(M&A)を活用できる人材だ

 では、企業のトップはなぜM&Aを行うのでしょうか。

 先に、企業がM&Aを行うのは、競争優位性を維持するポジション争いのためだと説明しました。

 でも、この説明だけだと、企業のトップがM&Aを行う理由の半分しか回答したことになりません。

 なぜなら、ポジション争いをする理由とは、それを行わなければほかの企業に負けてしまうからという消極的なものだけで、企業のトップが積極的にM&Aを行う理由にはなっていないからです。

 では、企業のトップがM&Aを行う最大の理由は何なのでしょうか?

 一言で言うと、企業のトップがM&Aを行う理由は、自分の経営能力を証明するためです。

 M&Aは、企業を丸ごと買ってくる行為です。これは、いわゆる国債や社債のように、金融商品を購入して満期を待つというようなものではありません。

 M&Aをした翌日から、その会社を先陣切って経営していかなければなりません。M&Aをしたら買いっ放しというわけにはいかないのです。M&Aを行ったら、経営統合を行い、統合の相乗効果を狙い、企業を発展させていかなければならないのです。

 リバーサイドというプライベートエクイティ・ファンドのCo-CEO(共同最高経営責任者)であるスチュワート・コール氏は、「M&Aは誰でもできる。しかし、M&Aの成功は誰にでもできるわけではない」と述べています。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米輸入物価、2月は約4年ぶり大幅上昇 中東紛争でエ

ワールド

トランプ氏、AI諮問委にメタやエヌビディアCEOら

ビジネス

米経常赤字、25年第4四半期1907億ドルに縮小 

ビジネス

一時的インフレ上振れでも緩やかな引き締め必要な可能
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 2
    意外と「プリンス枠」が空いていて...山崎育三郎が「日本産ミュージカルの夢」に賭ける理由【独占インタビュー】
  • 3
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆保険」を達成した中国の医療保険の実態とは
  • 4
    「有事の金」が下がる逆説 イラン戦争で市場に何が…
  • 5
    デンマーク王妃「帰郷」に沸騰...豪州訪問で浮かび上…
  • 6
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 7
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下…
  • 8
    地上侵攻もありえる...イラン戦争が今後たどり得る「…
  • 9
    まずサイバー軍が防空網をたたく
  • 10
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 1
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 3
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 6
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 7
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 8
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 9
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 10
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中