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アメリカ政治バレンタイン監督が駐日大使に? トランプ政権人事の発想はまるで野球映画
Jessica Rinaldi-REUTERS
<トランプ次期大統領の政権移行チームが、バレンタイン監督の駐日大使への起用を検討しているという。あらためて政権人事を見てみれば、往年の野球映画から発想を得たとしか思えないような顔ぶれが......>(写真はボストン・レッドソックス時代のバレンタイン監督)
ドナルド・トランプ次期大統領は現在、次期政権のメンバーとなる長官や顧問、大使を指名中だが、もしその人事の発想が野球映画にあるとしたら――ここで「ワンストライク!」と叫ぶ前に、その詳細を見ていきたい。
報道によるとトランプは、「ニューヨーク・メッツ」や「ボストン・レッドソックス」の監督を歴任したボビー・バレンタイン(日本では千葉ロッテマリーンズの元監督)を駐日大使として指名することを検討している。1992年に公開されたコメディー映画『ミスター・ベースボール』では、ピークを過ぎたメジャーリーグの選手が、日本の「中日ドラゴンズ」にトレードされる。日本で、様々なカルチャーギャップに遭遇し、多くの笑いと少々のロマンスが巻き起こる。トランプは、この映画のようなドタバタ劇を期待しているのだろうか?
またトランプが駐中大使に選んだのは、アイオワ州知事のテリー・ブランスタッド。自称「親中派」で、習近平国家主席とも親しい間柄にあると言われている。アイオワ州と言えば、1989年公開の『フィールド・オブ・ドリームス』の舞台となった場所だ。トウモロコシ農家の主人公が、夢の球場を建設する感動的な物語だった。
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トランプ自身は大統領選で、政界のアウトサイダーとしての言動が支持され、歴史的な番狂わせを演じ切った。天才野球選手と呼ばれながらプロ入りできずにいた男が、35歳にして「奇跡のルーキー」としてメジャーリーグで活躍することになる映画『ナチュラル』の主人公の気分を、トランプは味わっていたのかもしれない。
国家経済会議の委員長に、ゴールドマン・サックスのコーン社長が起用されると聞いた時には、経営危機に瀕した球団を、統計学的データを駆使して建て直そうとする映画『マネーボール』が思い浮かんだはずだ。
そして多くの政治評論家は口を揃えて、今年の大統領選は弱小チームが快進撃を続ける『メジャーリーグ』のようだと言うだろう。この先はトランプが人々の不安を振り払うことができるかどうか(『Fear Strikes Out』[1957年公開、邦題は『栄光の旅路』])、見届けなければならない。
残念ながら、女子プロリーグ選手の活躍を描いた『プリティ・リーグ』のような展開は期待できそうにない。トランプが元妻イバナの意向を尊重し、彼女をアメリカ大使としてチェコに派遣するというなら話は別だが。