北に翻弄される韓国の情報機関
2016年6月1日(水)17時40分
NISで北朝鮮担当第1次長を務めた元外交官の羅鍾一(ラ・ジョンイル)は、世界で最も優秀な機関でも、諜報活動をめぐる失敗は珍しくないと語る。北朝鮮政権の性格を考えれば、NISの任務は特に難しいという。
「NISの場合、諜報活動の主な対象となる国が世界でもとりわけ秘密主義で、外界から隔離された密封状態だという足かせがある」と羅は言う。
「さらに、開かれた政府を目指すという(韓国の)方針もあって、NISの活動がさらけ出されていることも、諜報活動を難しくしている。今回の件は、北朝鮮が韓国に公然と恥をかかせるために仕組んだと考えられなくもない」
北朝鮮という特殊な国が相手とはいえ、失態が続くNISが厳しい視線を浴びていることは間違いない。
【参考記事】韓国が民主主義から遠ざかる
From thediplomat.com
[2016年5月31日号掲載]
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