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台湾蔡英文が台湾総統へ就任、中国には「歴史の重荷下ろし対話を進めるべき」
東シナ海と南シナ海の問題については「共同開発をするため、論争を棚上げ」
5月20日、台湾総統に就任した民主進歩党(民進党)の蔡英文氏は、就任演説を行い、平和と中台関係の安定維持に責任ある役割を果たしていくと表明した。写真は就任式での同氏。台北で撮影(2016年 ロイター/Tyrone Siu)
台湾総統に就任した民主進歩党(民進党)の蔡英文氏は20日、就任演説を行い、中国に「歴史の重荷を下ろす」よう求めた。台湾独立に向けた兆候を中国が注視する中、全体的に融和的な内容となった。
独立志向の民進党は1月の総統選挙と立法院(国会)選挙で勝利。親中国的で8年に及んだ国民党の馬英九政権に取って代わった。
女性初の総統となる蔡氏は、台湾は中国との関係で責任ある役割を果たし、「確固たる平和の擁護者」になると表明。「両岸関係は域内平和と集団安全保障を構築する上で欠かせない要素だ」とした上で、「両岸の執政2党は歴史の重荷を下ろし、両岸の人民のために前向きな対話を進めるべきだ」と述べた。
新総統は台湾の正式名称である中華民国の憲法に従うと表明するとともに、台湾の主権と領土を守ると約束。また、「東シナ海と南シナ海の問題については、共同開発を可能とするため、論争を棚上げすることを提案する」と述べた。