【写真特集】当事者が切り取るイランの素顔
<変身>
友人に付き添われて唇と頰にボトックス注射を受けるモデルのビタ。「スーパーモデルみたいにリッチで魅力的になりたい。この国で稼ぐのは難しい。アングラのファッションショーは違法だし、合法的なショーは全然素敵じゃない。ファンが私の仕事ぶりを見られるのはインスタグラムを通してだけ。人気者であり続けようと努力するのはいい生き方だと思う。家を出るときはいつもパーフェクトな状態を心掛けている。そうすれば目立てるから」
<夢のために>
廃墟となったスイミングプールの壁をよじ登るマフード。演劇の道を志す彼が周囲を気にせずに歌の練習をできる場所はここだけだ。「演劇を学ぶためにテヘランに来た。地元のアフワズは原油は採れるが、芸術系の大学はなかった。演じることが大好きだが、文化省から公演の許可を取るのに何カ月、時には何年もかかる。アルバム発売の許可が下りるのを2年間待ち続けているが、そういう状況を受け入れている」
Photographs from "Blank Pages of an Iranian Photo Album" (Keher Verlag) by Newsha Tavakolian for Carmignac Foundation/Magnum Photos Tokyo
<本誌2015年11月17日号掲載>
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