最新記事

フランス

【写真特集】厳戒態勢のパリ、犠牲者への祈りと重なる温暖化対策の呼び掛け

非常事態宣言でデモ行為が禁止される中、COP21の首脳陣に対して静かな意思表示が

2015年12月2日(水)16時40分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

「温暖化と戦え!」 デモの代わりにパリ市内を仮装で歩き、温暖化対策を求める環境活動家 Benoit Tessie-REUTERS

 先月発生した同時テロに伴って、フランス政府は非常事態を宣言したため、現在パリではデモ行為が禁止されている。しかし先週末、国連気候変動枠組み条約の締約国会議(COP21)の開催を控えたパリでは、デモに代わる方法で、世界の首脳に対して静かに温暖化対策を求める人たちがいた。

 COP21開催前日の29日、パリでは環境保護団体などの呼び掛けで、約5万人が参加するデモが実施される予定だった。パリでのデモは実施できなくなり、主催者団体は、ネットを使って世界中の各都市にデモの開催を呼び掛けた。これに応えて、175カ国で72万人が温暖化対策を求める活動に参加した。

 また同時テロの現場となったパリ中心部の共和国広場では、デモの代わりとして2万2000足の靴が並べられた。知人の靴を持ってきた郊外在住のマリピエール・ドローグは、「同時テロの時には、亡くなったりけがをしたりした人たちのために祈りにここに来た。その悲しみは消えないが、再びこの場所に来ることはとても大切なことだ。地球環境のために自分たちは立ち上がらなければならない」と、話していた。

 この他、テロで多数の犠牲者が出たバタクラン劇場の近くでは、1万人の人々が手を繋いで「人間の鎖」を作った。

 一方、共和国広場の周辺では、警備にあたる警官隊と抗議する人たちが衝突して、警官隊が催涙ガスやスプレーで制圧する一幕もあった。警察当局によると、この日約300人が身柄を拘束されている。


pscop21-02.jpg

共和国広場には2万2000足の靴が並べられた Eric Gaillard-REUTERS


pscop21-03.jpg

並んだ靴には「戦うのなら、温暖化と戦え!」というメッセージが Eric Gaillard-REUTERS

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

新型ミサイルのウクライナ攻撃、西側への警告とロシア

ワールド

独新財務相、財政規律改革は「緩やかで的絞ったものに

ワールド

米共和党の州知事、州投資機関に中国資産の早期売却命

ビジネス

米、ロシアのガスプロムバンクに新たな制裁 サハリン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでいない」の証言...「不都合な真実」見てしまった軍人の運命
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 6
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 7
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 8
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 9
    巨大隕石の衝突が「生命を進化」させた? 地球史初期…
  • 10
    バカげた閣僚人事にも「トランプの賢さ」が見える...…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 5
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 8
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 9
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 10
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中