【写真特集】厳戒態勢のパリ、犠牲者への祈りと重なる温暖化対策の呼び掛け
非常事態宣言でデモ行為が禁止される中、COP21の首脳陣に対して静かな意思表示が
「温暖化と戦え!」 デモの代わりにパリ市内を仮装で歩き、温暖化対策を求める環境活動家 Benoit Tessie-REUTERS
先月発生した同時テロに伴って、フランス政府は非常事態を宣言したため、現在パリではデモ行為が禁止されている。しかし先週末、国連気候変動枠組み条約の締約国会議(COP21)の開催を控えたパリでは、デモに代わる方法で、世界の首脳に対して静かに温暖化対策を求める人たちがいた。
COP21開催前日の29日、パリでは環境保護団体などの呼び掛けで、約5万人が参加するデモが実施される予定だった。パリでのデモは実施できなくなり、主催者団体は、ネットを使って世界中の各都市にデモの開催を呼び掛けた。これに応えて、175カ国で72万人が温暖化対策を求める活動に参加した。
また同時テロの現場となったパリ中心部の共和国広場では、デモの代わりとして2万2000足の靴が並べられた。知人の靴を持ってきた郊外在住のマリピエール・ドローグは、「同時テロの時には、亡くなったりけがをしたりした人たちのために祈りにここに来た。その悲しみは消えないが、再びこの場所に来ることはとても大切なことだ。地球環境のために自分たちは立ち上がらなければならない」と、話していた。
この他、テロで多数の犠牲者が出たバタクラン劇場の近くでは、1万人の人々が手を繋いで「人間の鎖」を作った。
一方、共和国広場の周辺では、警備にあたる警官隊と抗議する人たちが衝突して、警官隊が催涙ガスやスプレーで制圧する一幕もあった。警察当局によると、この日約300人が身柄を拘束されている。