「血の弾圧」関与疑惑を韓国政府はぬぐい切れない
国際人権擁護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチによれば、ここ数カ月、工場労働者のデモ現場で武装したNCTC要員の姿が確認されていたという。
「法と秩序を維持するのは警察の役目だ。韓国政府は警察に相談すべきだった」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局長代理であるフィル・ロバートソンは言う。「韓国政府がこの件をテロ問題と見なし、NCTCの関与を求めたことには正当性がないと、私たちは考えている」
カンボジアの人権擁護団体アドホックの広報担当者、ニール・ルフリンも同意見だ。「抗議活動を行う権利は、この国の法律で認められている。たとえ抗議活動が暴力に発展したとしても、テロ対策機関が関わるべき問題だとは思えない」
韓国外務省は筆者らの質問状に対し、一連の抗議デモがテロに関係あると考えているかという問いへの回答を拒否。抗議した市民に武力が用いられたことを非難するか、韓国大使館が工場の安全に関する懸念を表明した後にカンボジア政府が過剰な武力を用いないように何らかの策を講じたかという点に関しても、コメントを拒んでいる。
カンボジア外務省の広報担当のコイ・クオンは筆者らに対し、ストに関して外務省もしくはNCTCに公式の書簡が届いたとは聞いていないと回答。NCTCのメンバーであるポル・チャンビラクはコメントを拒否、テロ対策特殊部隊を率いるフン・マネット(フン・セン首相の長男)には連絡が取れていない。
From GlobalPost.com特約
[2014年1月28日号掲載]