美味しいビールほど冷やすと台無しに?
しかし、習慣はそう簡単に変わらない。業務用ビールサーバーはたいてい3度前後で機能するよう設計されていて、温度を上げれば炭酸に影響を与えかねず、雑菌が繁殖するリスクも高まる。
種類ごとにサーバーの温度を変えれば、設備投資に金が掛かる。何より、生ぬるいビールにはまだ消費者が付いてこないだろう。
長く苦しい戦いだ。だが最近は、多くの醸造所がウェブサイトで飲み頃の温度を公開。瓶ラベルに表示している場合もある。
レストランやバーで霜付きジョッキが出てきたら、常温のグラスに変えてくださいと頼もう。ワイングラスでもいい。あの丸い形が香りを長持ちさせてくれる。ビールのために一肌脱ぎたいなら、グラスを変える理由を説明するのも手だ。ジョッキを冷やし過ぎてはいけないと、店側も理解してくれるかもしれない。
それでも2杯目がまた氷のようだったら? 自制心を奮い立たせ、飲むのをこらえるべし。一時の我慢でビールが生まれ変わるのだから、待つ価値はある。
© 2013, Slate
[2012年4月11日号掲載]