キュンキュン必至のロマコメ決定版だが、「ロマコメの女王」ではない!
She’s Not a Rom-Com Queen
ウィザースプーンといえばロマコメという思い込みはもう捨てるべき NETFLIXーSLATE
<最新作『ユアプレイス、マイプレイス』は配信が始まると、すぐにネットフリックスの人気トップ10に。しかし、典型的なロマコメにリース・ウィザースプーンが似合わない理由とは?>
これぞロマコメ(ロマンチック・コメディー)映画の決定版だ! 私は思わず、そう叫びたくなった。ネットフリックスの新作『ユアプレイス、マイプレイス』(2月10日に配信開始)の予告編を見た瞬間のことだ。私は純真な映画ファンだから、すぐ作り手側の宣伝を信じてしまう。
それに、本作にはロマコメ決定版となる資格が十分にある。だって、あのリース・ウィザースプーンがロマコメに戻ってきた! しかも『幸せになるための27のドレス』の脚本家アライン・ブロッシュ・マッケンナの初監督作品! おまけにアシュトン・カッチャーも出ている(あっ、ここは「!」なしね。私もそこまで無節操ではない)。
実際、配信が始まるとすぐネットフリックスの人気トップ10に入った。でも、決定版どころじゃなかった。
本作でのウィザースプーンとカッチャーは長年の「親友」という設定。普段は西海岸と東海岸に遠く離れて暮らしているけれど、訳あって1週間だけ、互いの家を交換して住むことになった(一緒に住むのではない、念のため)。
この2人、少しもロマンチックじゃない(20年前には恋仲だったけれど、すぐに長続きしないと気付いたとか)。2人のキャラもロマンスとは無縁。
ウィザースプーン演じるデビーは会計士の卵でシングルマザー。編集者になる夢を諦め、現実的なキャリアと平凡な暮らしを選んでいる。対してカッチャー演じるピーターは超売れっ子のコンサルタント。ただし女性との関係は半年くらいしか続かない。
デビーは会計士講座の受講でニューヨークに行く予定を立てていたが、土壇場で息子の世話をする人の都合が悪くなった。するとピーターが名乗り出て、僕がロサンゼルスの君の家に行く、君は僕のニューヨークの家に泊まればいいと言った。
かくして2人は互いの家で1週間を過ごすことになり、知っていたつもりでも知らなかった互いの暮らしや性格に気付き、改めて熱い思いを抱くのだが......。
残念、やっぱりロマコメ映画の宣伝を信じちゃいけない。確かにリース・ウィザースプーンは素晴らしい女優だが、必ずしもロマコメには向いていない。今度こそ、私はこの事実を学んだ(と思いたい)。