性的少数者の背中を押すエリオット・ペイジのカミングアウト
Gift to the Trans, Nonbinary Community
エレン・ペイジ改め、エリオット・ペイジに。2017年、トロント映画祭..... REUTERS/Mark Blinch
<喜びも弱さも隠さないE・ペイジの率直な告白が真の自己発見へといざなう>
トランスジェンダー(心と体の性が一致しない人)であることを明かした俳優のエレン・ペイジ改め、エリオット・ペイジ。2020年12月1日にSNSにアップした声明で、カミングアウト後の心境を語っている。
「私の名前はエリオット。......私の喜びは本物だが壊れやすくもある。今はとても幸せで、自分がどのくらい恵まれた立場なのかも分かっているけど、本当はとても怖い」
— Elliot Page (@TheElliotPage) December 1, 2020
そして、自分を「完全に受け入れる」努力をしながら、トランスジェンダーとノンバイナリー(男女どちらにも属さないジェンダー)のコミュニティーを「できる限りサポートしていく」と誓った。今後、ペイジの代名詞は「he/they」となる。
エレン・ペイジとして主演した『JUNO/ジュノ』や『X-メン』シリーズ
エレン・ペイジとして主演した『JUNO/ジュノ』や『X-メン』シリーズのキティ・プライド役など、彼の演技は高く評価されてきた。14年に同性愛をカミングアウトして以来、LGBTQ(同性愛者などの性的少数者)の権利擁護を訴え、公の場やソーシャルメディアで自分の経験を率直に語っている。
ペイジが隠そうとしない彼の弱さこそが、自身の積極的な行動主義を支えている。
20年8月にコメディアンのマーク・マロンのポッドキャストに出演したペイジがカミングアウトしたことについて質問されると、長い沈黙が流れた。彼が真摯に言葉を選んでいることが伝わってきた。
ペイジは、自分のキャリアが「計り知れない特権と機会を与えてくれている」と言った。「それでもこの苦しみを本当に打ち明けるべきなのか、とも思う。今でも正直なところ、あのとき(同性愛をカミングアウトしたとき)のことを話すのは難しい......何を話せばいいのか分からない」
自分のアイデンティティーが6年もの間、世間の詮索にさらされてきた人にもかかわらず、驚くほど臆病だった。彼がクィア(性的少数者)の問題に深い情熱を注ぎ、以前から積極的に活動していることは私も知っていた。それでも彼は苦しんでいる。