ナイキ運営チームが潰した「アメリカで一番足が速い少女」
Don’t Run From the Problem
2019年12月03日(火)16時55分
女子選手に無理な減量を強いる慣行の背景には、2つの誤った思い込みがある。1つは走り込めば痩せるのが当然だという考え。実際は、選手の強化のためには走って燃焼したカロリーの大半をきちんと食べて補うことが重要だ。
加えて「体重が軽ければ、速く走れる」という誤った通念もある。人体には単純な運動力学は当てはまらない。極端な食事制限で心理的なストレスがたまれば、競技パフォーマンスは低下するだろう。
無理な減量は無月経ばかりか、摂食障害や醜形恐怖症を招くこともある。こうした弊害をなくすためにも、指導現場に女性コーチが増えることが望ましい。ケインも今、指導者として選手の育成に当たっている。彼女はスポーツ界に戻った動機をこう語った。
「なんのために走るのかじっくり考えてみた。そして子供の頃の自分を取り戻したの。走るのが大好きで、チャレンジを楽しんでいた自分を」
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[2019年12月 3日号掲載]