最新記事

キャリア

上司への媚び売りは疲労の原因に 心にも体にもダメージ大

2018年08月02日(木)17時20分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

ゴマスリすると疲労がたまる XiXinXing-iStock

<無理に上司アゲしたり、従属するようなゴマスリ・おべっかは、余計なタスクになり疲れの原因となる...>

先ごろ発表された研究は、職場で媚びへつらうことの自己ダメージを明言した。上下関係のある場所で働いた経験があれば、自らそう振る舞ったり、ゴマスリ社員として名を馳せる同僚も存在するだろう。そう、誰しもがイラついていたことの影響が解き明かされたのだ。

ニューヨーク・ポストによると、オレゴン州立大学の研究チームは、媚びを売る行為によって、時間の無駄遣い、アポイントの見逃し、同僚からの悪評といったデメリットが生じる可能性とともに、本人の精神的・肉体的なダメージについて報告した。

媚び売りは自分の体にダメージ

研究の対象となったのは、中国大手ソフトウェア会社の中間管理職75人。2週間にわたり日記を記すよう指示し、そこから彼等が上司に対しどのように、ゴマスリ・おべっかと自己アピールを繰り広げているかを解析した。

※ゴマスリやおべっかは、上司の意見への同調や尽力、お世辞。自己アピールは、自身のキャリアの成功に向けた上司からの信頼の獲得、職務上のパフォーマンス向上と他のキーパーソンへの積極的な関係構築を指す。

調査対象の従業員たちは日々、ゴマスリの範囲を広げていたという。そしてそれに比例するような形で、疲労を溜め、1日の終わりには彼らが消耗し切っていることが分かった

「これは、ゴマスリ・おべっかが自らにダメージを与える行為だということを意味している。上手におべっかを使うに当たって、誠実さが強いられ、そこに自制心が生まれるから。上司をアゲたり、わざと従属するようなゴマスリ・おべっかは、もはや新たな職務となり疲弊する可能性がある」とKlotzは言っている。

それも、能力のない上司の下なら労力は、より一層増す。強制される誠実さと気持ちのギャップ、現実に対する本音を自制するパワー、できない上司をフォローする心労など、本来必要のない余計な「仕事」は、目に見えない大きなダメージを与える。

疲れ果てた従業員は、どうなるか――本来取り組むべき仕事もせずに同僚に不満を抱いたり、ネットサーフィンに興じるなど、オフィスの異常事態とも取れる「憂さ晴らし」が報告された。一方で自己アピールとされる行為は、精神や肉体的な疲弊との関連性は認められなかったという。

【参考記事】身近な「サイコパス」から身を守るための知識

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ次期大統領、予算局長にボート氏 プロジェク

ワールド

トランプ氏、労働長官にチャベスデレマー下院議員を指

ビジネス

アングル:データセンター対応で化石燃料使用急増の恐

ワールド

COP29、会期延長 途上国支援案で合意できず
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

  • 2

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

  • 3

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 4

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 5

    24歳年上の富豪と結婚してメラニアが得たものと失っ…

  • 1

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 2

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

  • 3

    キャサリン妃が「涙ぐむ姿」が話題に...今年初めて「…

  • 4

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

  • 5

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 1

    「家族は見た目も、心も冷たい」と語る、ヘンリー王…

  • 2

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 3

    カミラ王妃はなぜ、いきなり泣き出したのか?...「笑…

  • 4

    キャサリン妃が「大胆な質問」に爆笑する姿が話題に.…

  • 5

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:超解説 トランプ2.0

特集:超解説 トランプ2.0

2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること