「改革派」ブッシュ弟は予備選を生き残れるか
党を保守派から救う?
そんなブッシュが語る「勝利の方程式」は、楽観的で陽気であり続けること、そして予備選で陥りがちな「内輪の争い」に巻き込まれないことだ。
その内輪の争いに、ブッシュを引きずり込もうと手ぐすね引いて待つ候補者は多い。税制から移民、教育問題まで、ブッシュはさまざまな問題で党内の保守強硬派と意見を異にしている。
例えば移民問題。世論調査によれば、不法移民の労働者に市民権を付与することに関して国民の62%が肯定的なのに対し、ティーパーティーに共感する人々では賛成はわずか37%だ。
ブッシュのやり方で最大の問題は、彼が予備選を生き残れるかという点だろう。共和党の予備選プロセスを批判することで、彼はそのプロセスに参加する有権者の気分を害することになる。それは、どんな政策の違いよりも致命傷になりかねない。
ブッシュの発言は、(特にブッシュに懐疑的な人々からは)こんなふうに受け止められかねない──私は他の候補者より自分のほうが賢いと思っている。その真実を潔く認め、他の候補は大統領選から身を引け、と。
ブッシュは立候補を検討する上で、家族のことが気に掛かると言う。なぜなら政治は「今、とても厄介な仕事だから」。だがブッシュは、従来の共和党予備選とはまったく違った選挙戦を展開するに違いない。支持者の目に彼は、党を保守強硬のイデオロギーから救う救済者に見えるだろう。それこそ、共和党が大統領選を制する唯一の道だ。
ブッシュの試みが成功したら大したもの。何しろ、共和党を取り戻すのは、「とても厄介な仕事」になりそうだから。
© 2014, Slate
[2014年12月16日号掲載]