オバマ中間選挙は「負けるが勝ち」
2010年3月26日(金)15時22分
近年の党派対立の歴史を振り返ると、大統領が大きな法案で業績を挙げるには、ホワイトハウスと議会を支配する党が異なる必要があるのかもしれない。そうなって初めて両党に妥協の余地が生まれることが多いからだ。
クリントンの幸運に学ぶ
クリントンは、議会の過半数を民主党が占めていたら96年の福祉制度改革法案に署名することはできなかっただろう。97年の財政収支均衡法についても同じことがいえる。これらは本来は共和党の政策で、多くの民主党議員は反対していたはずだ。
上院民主党は、共和党の議事妨害を阻止できる「絶対安定多数」に1議席足りない59議席。上院議席の過半数を占めながらオバマが医療保険制度改革法案を可決できないというのは変な話に聞こえるかもしれないが、59人のなかには賛成票を再び投じる気がない民主党議員もいるのだ。今の民主党内の雰囲気は昨年12月と違う。オバマのことではなく、自身の再選だけを気に掛ける議員が増えた。
オバマが雇用対策法案の可決を望むなら、議会に出向き、大統領自身が生き残るためには何が必要かを民主党議員に訴えなければならない。それは中間選挙を控えた議員たちの生き残りを懸けた戦いでもある。
[2010年3月 3日号掲載]
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