最新記事
ヒト

未来のヒトはどんな顔に? 5万年後の姿を科学的に予測

LOOK OF THE FUTURE

2025年2月14日(金)17時31分
アリストス・ジョージャウ(サイエンス担当)
未来のヒトはどんな顔に? 5万年後の姿を科学的に予測

KENTOH/ISTOCK

<【思考実験】遺伝子編集やAIの力で、人類は自ら進化をデザインする時代へー倫理的なブレーキも永遠には利かない...>

もう人類の進化は終わってしまった、などと嘆くなかれ。医薬品や技術の進歩で私たちの生存環境が変わり、生物学的な進化が見えにくくなったのは事実。だが専門家によれば、進化は今も脈々と続いている。

今の時代、人間に起きている進化の多くは生存適性よりも繁殖の成功に関わるのかもしれない。相手を選ぶときの好き嫌いや地理的な要因、あるいは全くの偶然で、遺伝子の発現頻度は変わり続けており、ヒトゲノムの構成にも変動がある。


では今から5万年後、進化したヒトはどんな顔をしているだろうか。もちろん正確な予測は不可能で、できるのは大まかな推測だけ。それでも複数の専門家は本誌に、進化が未来の人類の外見にどのような影響を及ぼし得るかを語ってくれた。

まずはデンマークのオーフス大学准教授で生物情報学者のトーマス・マイルンド。

「進化には先行する出来事によって次に起こることが決まるという決定論的な部分もあるが、突然変異や環境の変化など、予測も制御も不可能な部分もある」とした上で、こんな予想を述べた。

「(寿命の短い)私たちが現在進行形の進化を観察できる機会はめったになく、ましてや何百年とかのタイムスパンでの進化となれば推測の域を出ない。それなりの根拠はあるとしても、大した予測はできない。だからこれは一種の思考実験だ」

と前置きした上で、「5万年もあれば進化の名に値する変化が、たとえ些細なものであっても、いくつか起きても不思議ではない」と語った。

カルチャー
手塚治虫「火の鳥」展 鑑賞チケット5組10名様プレゼント
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナ、米の支援なしで存続できる可能性「低い」

ワールド

焦点:人材こそ資源、労働力輸出で経済活性化を狙うア

ワールド

米、4月2日めどに自動車関税 トランプ大統領表明

ビジネス

台湾TSMC、インテル工場運営を検討 米政権の要請
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザ所有
特集:ガザ所有
2025年2月18日号(2/12発売)

和平実現のためトランプがぶち上げた驚愕の「リゾート化」計画が現実に?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 2
    週に75分の「早歩き」で寿命は2年延びる...スーパーエイジャーが実践する「長寿体質」の習慣
  • 3
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン...ロシア攻撃機「Su-25」の最期を捉えた映像をウクライナ軍が公開
  • 4
    世界中の90%以上を生産...「半導体の盾」TSMCは台湾…
  • 5
    イスラム×パンク──社会派コメディ『絶叫パンクス レ…
  • 6
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 7
    鳥類進化の長年の論争に決着? 現生鳥類の最古の頭骨…
  • 8
    駆逐艦から高出力レーザー兵器「ヘリオス」発射...ド…
  • 9
    「精緻で美しい奇跡」ノーベル賞作家ハン・ガン『別…
  • 10
    便秘が「大腸がんリスク」であるとは、実は証明され…
  • 1
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だった...スーパーエイジャーに学ぶ「長寿体質」
  • 2
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    研究者も驚いた「親のえこひいき」最新研究 兄弟姉…
  • 5
    メーガン妃の最新インスタグラム動画がアメリカで大…
  • 6
    2025年2月12日は獅子座の満月「スノームーン」...観…
  • 7
    iPhoneで初めてポルノアプリが利用可能に...アップル…
  • 8
    【徹底解説】米国際開発庁(USAID)とは? 設立背景…
  • 9
    Netflixが真面目に宣伝さえすれば...世界一の名作ド…
  • 10
    極めて珍しい「黒いオオカミ」をカメラが捉える...ポ…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 8
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 9
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中