最新記事
SDGsパートナー

サトウキビの搾りかす「バガス」でプラスチック依存から脱却する...折兼が挑む「フードサイクリング(食の循環)」とは何か?

2024年11月21日(木)11時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

循環する「バガスフードサイクリング」

バガスフードサイクリング

バガスフードサイクリング


しかし、環境に配慮した製品は、消費者の理解を得ることなしに普及させることは難しい。そこで環境に優しい製品であることの証明と実践を兼ねて、使用後の容器を堆肥化し、野菜を育てる「バガスフードサイクリング」をスタートさせた。

容器を利用したフードサイクリング(食の循環)自体が業界初の取り組みだったため、当初はその安全性が不安視されることもあったが、専門機関によるエビデンスの取得によって不安を払拭。現在では「バガスフードリサイクリング」は、学校での食育活動などを通じて賛同者・支援者の輪が広まっている。

これらの取り組みを学校やスポーツチーム、そして企業・自治体などと組んで推進しているのは同社に2022年に新設された「広報・SDGs課」だ。同課の味岡愛恵氏は次のように述べる。

「業界全体の意識改革や、飲食店やスーパーなどとの継続的な取り組みが今後の課題です。そのためにも容器の回収や堆肥化のスキームを構築し、バガスフードサイクリングを継続的に行っていく必要があります」

環境に配慮した製品は、決して安価ではない。だからこそ、業界全体を巻き込みながら、消費者の支持を地道に得ていく必要がある。

プラスチック製品を強みにしてきた企業が、あえて代替商品の開発と普及に挑んでいく...。そこには環境に配慮した製品を作るだけでなく、最後に自然に分解するまでの「つくる責任」を見て取ることができる。環境問題解決の糸口を実践と啓発活動を通じて生み出す好循環例として、多くの企業や消費者に影響を与えていくだろう。

ニューズウィーク日本版 日本人と参政党
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年10月21日号(10月15日発売)は「日本人と参政党」特集。怒れる日本が生んだ参政党現象の源泉にルポで迫る。[PLUS]神谷宗幣インタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

過度な為替変動に警戒、リスク監視が重要=加藤財務相

ワールド

アングル:ベトナムで対中感情が軟化、SNSの影響強

ビジネス

S&P、フランスを「Aプラス」に格下げ 財政再建遅

ワールド

中国により厳格な姿勢を、米財務長官がIMFと世銀に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    大学生が「第3の労働力」に...物価高でバイト率、過去最高水準に
  • 4
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 5
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 6
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 7
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「金の産出量」が多い国は?
  • 9
    疲れたとき「心身ともにゆっくり休む」は逆効果?...…
  • 10
    【クイズ】世界で2番目に「リンゴの生産量」が多い国…
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 3
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由とは?
  • 4
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中