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コーヒー製造の「もったいない」を食品ロス削減の啓発プログラムに活用...三本珈琲が繋ぐ未来へのバトン

2024年10月31日(木)11時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー
三本珈琲の鎌倉総合工場を見学する小学生

小学生による鎌倉総合工場見学のようす。実際にどんな「もったいない」が発生するのかを製造現場で直に見ることでより実感がわく。コーヒー工場見学は子どもから大人まで需要があり要望があれば可能な限り対応している

<日本において「本来食べられるにもかかわらず捨てられる食品 」は年間約470万トンにのぼる(2022年)。こうした食品ロスの削減に向けて、三本珈琲では自社の事業活動で排出される食品ロス等を活用した体験型の啓発プログラムを実施している>

世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや商品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えに基づいてニューズウィーク日本版は昨年に「SDGsアワード」を立ち上げ、今年で2年目を迎えました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。

◇ ◇ ◇

一粒のコーヒーが生み出す社会貢献、啓発活動

世界的な社会問題として深刻化している食品ロスの問題。食料資源を無駄にしているだけでなく、大量の廃棄物を焼却処理することによる二酸化炭素の排出など、環境への影響も懸念されており、世界で取り組むべき喫緊の課題となっている。

食品を扱う企業においても対策が求められる中、神奈川県に本社を置くコーヒー製造業者、三本珈琲は食品ロス削減に向けた取り組みを多面的に展開している。

同社は2021年、「持続可能な世界を、一粒のコーヒーから。」をスローガンに掲げサステナビリティ推進室を設置し、コーヒー製造の過程で発生する焼き過ぎや焼き不足の豆、製造中に割れた豆などを活用した商品「三本珈琲オリジナルブレンド」を開発。

その売上の一部で販売店の食品ロスを買い取り、フードバンクや子ども食堂など食べ物を必要とする先に寄付する、という製造・販売の2カ所の食品ロス削減と社会貢献を同時に達成する「全員参加型食品ロス削減推進モデル」を構築し、食品ロス削減推進大賞(2021年)、食品産業もったいない大賞(2022年)を受賞した。

その販売を通して「どこで食品ロスが発生し、どのように社会に貢献しているのか」という現実を具体的にわかりやすく説明し、商品の意味や意義を正しく伝える必要性を感じ、自社の事業活動で発生する食品ロス等副産物を活用した啓発プログラムを開発した。

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専門学校の学校祭で行われたコーヒーを題材にした食品ロス啓発お笑いステージに登壇

サステナビリティ推進室の正木陽子氏は、「営利企業が啓発活動を継続するには資金面が課題になりがちですが、自社のコーヒー製造が継続する限り食品ロスは発生し、三本珈琲オリジナルブレンドの製造が続けば活動の原資も絶えることがありません。組織としてそこを賄うシステムを構築できた点が、活動の持続性を高め、貢献を確実にしているポイントだと考えています」と話す。

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