最新記事
SDGsパートナー

風土改革からSDGs推進へ、国内から海外へ...次々に可能性を広げるニチレイフーズ「ハミダス活動」とは何か

2023年12月27日(水)11時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

「ハミダス活動」から生まれたSDGs推進の取り組み

当初は従業員同士のコミュニケーション活性化を目的とした「ハミダス活動」だが、近年はここから生まれた多くの活動がSDGs推進の取り組みへと発展を遂げている。なかでも活発なのが、食育とフードロス削減に向けた取り組みだ。

食育活動と言えば、従来は小学生が主な対象だったが、同社では要望に応え、シニア向けの生涯教育としても実施。また、児童養護施設や視覚支援学校、遠隔地・離島、フリースクールなど、さまざまな境遇にある子供たちに平等に教育の機会を提供する支援をしている。

hamidasu2.jpg

「ハミダス活動」からの発展としては食育活動が特に活発

一方、フードロス削減の取り組みも、従来はフードバンクに寄付をしていたが、こちらも徐々に「はみ出して」いく。出荷単位に満たず正規品であるにもかかわらず販売できない「半端品」をこども食堂に寄付したり、地域自治体と連携して、半端品を返礼品として活用する全国初の「環境型ふるさと納税」もスタートさせたりしている。

同社はブラジル、タイ、中国、ベトナム、アメリカなどに海外展開しているが、「ハミダス活動」は国境も「はみ出し」ている。例えば、貧困層の子供たちへのアセロラジュースの提供(ブラジル)、食育教育の実施(アメリカ)と、各地の実情に合った活動が行われている。

hamidasu3.jpg

「ハミダス活動」から生まれたブラジル貧困家庭の子供たちへの支援活動

こうして広がってきた「ハミダス活動」について、佐藤氏は「当初はSDGsに対する認知や理解をいかに広めるかが課題だった。認知が広がると今度は、事業活動とは違う社会貢献活動と捉えられがちで、SDGsは企業としての責務であり、事業活動の一環であるとの認識を従業員に持ってもらうことが今後の課題だ」と謙遜する。

確かにSDGsには、そういった難しさもあるのかもしれない。しかし個々の従業員が自らの業務から「はみ出し」て視野を広げていったからこそ、ニチレイフーズは多様なSDGsを推進でき、従業員の働きがいにもつながっている。

どんな形であれ、視野を広げればSDGsも広がっていく。そんなヒントを「ハミダス活動」は提示してくれているようだ。

ニューズウィーク日本版 トランプvsイラン
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年7月8日号(7月1日発売)は「トランプvsイラン」特集。「平和主義者」の大統領がなぜ? イラン核施設への攻撃で中東と世界はこう変わる

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


対談
為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 セカンドキャリアの前に「考えるべき」こととは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

焦点:トランプ税制法、当面の債務危機回避でも将来的

ビジネス

アングル:ECBフォーラム、中銀の政策遂行阻む問題

ビジネス

バークレイズ、ブレント原油価格予測を上方修正 今年

ビジネス

BRICS、保証基金設立発表へ 加盟国への投資促進
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 4
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 5
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 6
    ワニに襲われた直後の「現場映像」に緊張走る...捜索…
  • 7
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 8
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 9
    吉野家がぶちあげた「ラーメンで世界一」は茨の道だ…
  • 10
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 3
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 4
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 5
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 6
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギ…
  • 7
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 8
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 9
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 10
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 7
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 8
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 9
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 10
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中