加工食品による「快楽」から脳を守る──ファスティングを習慣にする3要素とは?
不健康な習慣を断つ
習慣は3つのものによってつくられる。きっかけ、ルーティン、一定の報酬だ。たとえばストレスなどがきっかけとなって、あることを繰り返し行うようになり、それがたとえばリラックスや幸せの感情という報酬に結びつくと、それが習慣になる。例を挙げてみよう。
義理の親戚の家を訪ねるのが嫌いで、先方に行くたびにキッチンをウロウロして、甘いお菓子や塩辛いスナック菓子をつまんでいるとする。すると、高度に加工されたそうした食べ物によって、脳の中の快楽を感じる部分が活性化され、逃げ出したいほど嫌いなその家にいるストレスよりも、幸福感が上回るようになる。
ルーティン(この場合は食べること)は、きっかけと報酬をつなぐ重要な要素だ。そのルーティンをやめれば──あるいは、そのほかのことをすれば──そのルーティンが報酬につながるのを避けることができる。
きっかけはさまざまだ。結婚したり、すばらしい旅行に行ったり、夢だった職業に就いたりと、ポジティブなものもある。一方、職場でのストレス、悲しみ、孤独、病気など、ネガティブなものもある。
でも、きっかけが何であれ、ルーティンは同じ。精製され、高度に加工された炭水化物を食べることだ。「お祝いにアイスクリームを食べよう!」「悲しくてしかたないから、アイスクリームを食べよう!」という具合に。
習慣を変えたければ、ルーティンを変えなければならない。報酬──いい気分になること──は、高度に加工された炭水化物やお菓子がなければ手に入らないわけではない。
私の主な仕事は、患者が別の方法でリラックスしたり幸せを感じたりすることができるように、カウンセリングをすることだ。つまり、食べ物に頼ることなく、じっさいに報酬を得られるような方法を考えるということだ。いまのサイクルを断ち切るためには、ふたつの戦略が必要だ。