最新記事

ヘルス

加工食品による「快楽」から脳を守る──ファスティングを習慣にする3要素とは?

2023年2月10日(金)10時35分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
栄養

fcafotodigital-iStock

<砂糖は脳に快楽を与え、幸福感を一時的に得ることができる。しかし、それを断つことで間食しない体になる。何よりも自分を知り、人間関係もよくなっていく>

ファスティングとは単なるダイエットではない。ホルモンの働きを整えることで、心と体をベストコンディションに作り上げること。そう述べるのは「インテンシブ・ダイエタリー・マネジメント・プログラム(集中的な食事管理プログラム)」を開発し、糖尿病と肥満の専門家として知られる、ジェイソン・ファン医師。『トロント最高の医師が教える 世界最強のファスティング』(CCCメディアハウス)より抜粋する。

◇ ◇ ◇


食物依存を治す

砂糖依存症がどれほど恐ろしいものか、ほとんどの人はわかっていない。砂糖は肥満、心血管疾患、糖尿病、がん、そのほか数多くの慢性疾患と直接的な関わりがあると、繰り返し調査で示されている。

それでも、私たちの脳には、加工された食べ物を食べればすぐに快楽を得られるし、幸せを感じられるし、最高の気分が味わえる、と刻み込まれてしまっている。加工された食べ物を食べるのをやめることを考えただけでも──ほんの短期間のファスティングをすると考えただけでも──そんなことは無理だ、と思ってしまう。

砂糖を摂らないようにすれば、長々とセラピーを受けるよりもずっとよく、自分のことも、自分の人間関係のことも見えるようになる。私も、自分の食生活を大きく変えるまで、そのことがわからなかった。脳は食べ物に快楽を見出すということを私が知ったのは、子どものころのことだ。
  

中毒になる食べ物トップ10

2015年に、研究者のグループが中毒になりやすい食べ物のランキングを発表した。幅広い年齢層の500人の被験者に聞き取り調査を行い、中毒に似た体の反応や行動を引き起こす食べ物を挙げてもらった。上位に挙がった10種類の食べ物のうち、じつに9種類がほぼ加工された材料のみでできていることは、驚くまでもないだろう。
  
1 ピザ
2 チョコレート
3 ポテトチップス
4 クッキー
5 アイスクリーム
6 フライドポテト
7 チーズバーガー
8 清涼飲料水
9 ケーキ
10 チーズ

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=円が軟化、介入警戒続く

ビジネス

米国株式市場=横ばい、AI・貴金属関連が高い

ワールド

米航空会社、北東部の暴風雪警報で1000便超欠航

ワールド

ゼレンスキー氏は「私が承認するまで何もできない」=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 8
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 9
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中