最新記事

時間管理術

世界中のエグゼクティブが実践する超ストイックな25分間、「ポモドーロ・テクニック」とは?

2023年2月2日(木)17時05分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

時間の経過に対して自分自身を計ろうとすれば、私たちは自分の不完全さを感じ、抑圧され捕らわれているという思いにさせられ、1秒また1秒と進むごとに敗北感を味わわされることになる。

そして、生の躍動(élan vital)──物事を成し遂げることを可能にする力──を失ってしまう。「2時間過ぎたのにまだ終わっていない」「2日経ったのにまだ終わっていない」というように。自分の弱さを思い知らされ、自分は何のためにこれをやっているのかという状態になってしまう。

それに比べて「事象の連続」のほうは不安をもたらしにくいように思える。むしろ一定の事象の連続、つまり落ち着きを生むリズムを意味する場合もある。

ポモドーロ・テクニックの目的

ポモドーロ・テクニックの目的は、能率(あなた自身とあなたのチームの能率)を高めるためのシンプルなツール/プロセスをもたらすことにある。ポモドーロ・テクニックによって次のようなことが可能になる。

・「生成」に関係する不安の緩和
・中断を減らすことによる集中力の向上
・意思決定に対する意識の向上
・動機を高めて維持すること
・目標達成への意志を強めること
・質・量の両面において見通す力を高めること
・仕事や勉強のプロセスの改善
・複雑な状況の中で粘り強くなること

基本的前提

ポモドーロ・テクニックは3つの基本要素に基づいている。

・「生成」という概念に焦点を合わせない、これまでと異なる時間設定の方法
これにより不安が緩和され、したがって能率の向上がもたらされる。

・頭をより良く使うこと
これにより思考が明確化して意識が高まり、集中力が向上して学習が促される。

・使いやすく負担にならないツールの活用
これによりテクニックをシンプルに応用できるので長続きしやすく、目標達成への努力に集中できるようになる。時間管理の多くの手法がうまくいかないのは、そもそも複雑な仕事をしなければならないのに、もう一層の複雑さを積み重ねてしまうからだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

バイデン・トランプ候補、6月27日にTV討論会で対

ワールド

スロバキア首相銃撃で負傷、生命の危機脱する 「政治

ビジネス

GDP1─3月期は2四半期ぶりマイナス、年率2.0

ビジネス

日本郵政、アフラックを持ち分法適用会社に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 2

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史も「韻」を踏む

  • 3

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 4

    マーク・ザッカーバーグ氏インタビュー「なぜAIを無…

  • 5

    それでもインドは中国に勝てない...国内企業の投資意…

  • 6

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    羽田空港衝突事故で「日航の奇跡」を可能にした、奇…

  • 9

    総額100万円ほどの負担増...国民年金の納付「5年延長…

  • 10

    奇跡の成長に取り残された、韓国「貧困高齢者」の苦悩

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 7

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中