「私たちは怪獣じゃない」...総合格闘家のトランス女性が訴える「チャンス・公正・正義」の必要性
“We’re Just People”
同じ頃、私はやっと男らしいものに夢中になった。格闘技だ。ブルース・リーの筋肉質の体から生まれる力強く、それでいて優美な動きに憧れた。彼の体つきで美しさと力強さが両立するなら、自分だっていけるかもと思った。
我慢に我慢を重ねた日々
それでも両親の期待には応えられなかった。私はある日ついに、両親に言われていたとおり「いじめられないように」勇気を奮い起して、私をいじめ続けた2人に反撃した。1人の足にかみつき、もう1人の頭のてっぺんをこぶし大の石で殴りつけた。でも褒めてはもらえなかった。
その前日に2人に飛びかかられて胸を打撲し、目の周りにアザができたことは問題じゃなかった。当日の朝、両親から、もうこれ以上心配させるな、やり返せ、と言われたことも問題じゃなかった。
私が相手と互角に戦うために使える数少ない手段を使ったことが問題だった。よくやった、それでこそ男の子だと褒められるどころか、ベルトでこれでもかというほどぶたれた。
妹たちが服を新調するとき、私は彼女たちのお古で我慢した。両親が私の陸上競技会より妹たちのバレエの発表会やチアリーディングの大会やオーケストラの演奏会を優先したときも、我慢した。
家族が私の大学の卒業式には出ず、教会主催の母の日のピクニックに参加することにしたときも、我慢した。