羽生結弦、忘れ難い「10の名演技」を振り返る
A New Freedom To Shine
2018年平昌オリンピック後、都内で優勝報告(2018年2月27日)Toru Hanai-REUTERS
<競技者からプロへの転向を表明した羽生の「第1章」の軌跡を、選曲&ジャンプ構成とともに追う>
7月19日、羽生結弦は決意表明会見で「プロのアスリートとして、スケートを続けていくことを決意いたしました」と語った。フィギュアスケーター羽生結弦の第2章の幕開けだ。
第1章にあたる選手時代の競技プログラムの中から厳選した「10の名演技」を、羽生のヒストリーを振り返った記事での登場順に紹介する。
①②2010年世界ジュニア選手権
1位216.10点(SP 68.75点/3位、FS 147.35点/1位)
SP「ミッション:インポッシブル2」より
ジャンプ構成:3A, 3Lz2T, 3F!
羽生は演技の幅が広いと言われる。世界ジュニア王者になった2つの演技で、15歳当時から多彩な表現力を持っていたことが分かる。SPは男っぽく硬質な曲想。長い手足で踊る姿は、将来カリスマと称される片鱗が見えた。
FS「パガニーニの主題による狂詩曲」
ジャンプ構成:3A, 3Lz2T, 3F!, 3Lo/3A2T, 3Lz, 3S3T, 2A
SPとは打って変わって、柔軟性を生かしたしなやかな表現のプログラム。当時から着氷姿勢が美しく、ジャンプを跳び終えた後まで気を配っていることが分かる。ジュニア時代はスピンが得意な選手として名高く、この大会でも男性では珍しいビールマンスピンを披露している。
ジャンプ構成の略記号は以下のとおり。 A=アクセル、Lz=ルッツ、F=フリップ、Lo=ループ、S=サルコウ、T=トウループ、Eu=オイラー(ジャンプのつなぎに使われる)、e=明らかに間違った踏み切り、!=明確ではない踏み切り、q=1/4回転不足、<=1/4回転を超え1/2回転未満の不足