最新記事

健康

あなたも要介護予備軍? 噂の「ロコモティブシンドローム」自己診断と予防法

自立した生活ができる期間を指す健康寿命を伸ばすため求められるロコモ対策

PR

2015年10月30日(金)11時05分

いつまでも自分の足で歩いていたい © FredFroese-iStock

 ロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)という言葉をご存じだろうか。一言でいうと、「立つ」、「歩く」といった移動機能に着目した概念だ。海外ではサルコペニアという言葉がよく知られているが、これは加齢に伴い筋肉が減少していく現象のこと。ロコモは、筋肉に限らず、骨や関節、神経などのいずれか、あるいは複数に障害が起こり、移動機能の低下(歩行障害)をきたした状態で、誰もがなり得る。2007年に日本整形外科学会が提唱し、この言葉が生まれた。最近よく耳にする機会に遭遇するようになってきたが、ロコモに注意しなければいけない背景には何があるのだろうか。

他の疾患に隠れて、見落とされがちな運動器の役割

 厚労省の調べによると、日本人の平均寿命は男性80歳、女性86歳となっている。しかし、介護を必要とせず自立した生活ができる期間を指す健康寿命では、男性70歳、女性73歳となり、平均寿命より10〜13歳も短い。この期間は、歩くことができずに家に閉じこもったり、介護や支援を必要としたりしている状態というわけだ。では、なぜ要介護や要支援になるのかというと、国民生活基礎調査によると原因のトップは運動器の疾患だという。運動器とは、骨・関節・靭帯・筋肉・神経の総称。介護の原因として、脳血管障害や認知症を思い浮かべる人は多いかもしれないが、健康寿命を延伸するためには、実は運動器はとても重要な役割を担っている。

 そこで注目されているのが、前述したロコモであり、その要因は加齢や運動不足、不適切な生活習慣とされている。骨が弱くなると骨粗鬆症になり、関節・軟骨・椎間板に異常をきたせば変形性関節症や変形性脊椎症を誘発する。そして、筋肉・神経系の能力が低下することが、神経障害やサルコペニアの原因にもなる。その結果、疼痛や関節可動域の制限、筋力やバランス能力の低下などが引き起こされ、移動機能の低下(歩行障害)が進行するというわけだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国軍が東シナ海で実弾射撃訓練、空母も参加 台湾に

ビジネス

再送-EQT、日本の不動産部門責任者にKJRM幹部

ビジネス

独プラント・設備受注、2月は前年比+8% 予想外の

ビジネス

イオン、米国産と国産のブレンド米を販売へ 10日ご
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 8
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 9
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 10
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中