最新記事

キャリア

自分の価値の高め方、軸はブレていい... LinkedIn日本代表が語る「転職2.0」時代の勝ち方

2021年6月3日(木)19時58分
flier編集部

── 業務内容の固有性が高くてタグを複数見つけられないという方には、どんなアドバイスをしますか。

実は自社にしかない業務は少なくて、一段上のレベルで認識すると、他の業界でも通用するものがほとんど。普段「どんな能力を発揮し、どんな課題を解決しているのか」を掘り下げるといいでしょう。

たとえば調整業務に従事している営業職なら、「他部署の人とも信頼を築き、ウィンウィンの状況を見つけ出す力」を発揮している、というように解像度を上げていく。すると、多様なステークホルダーの強みや弱みを補完してコンフリクトを解消する、コンサルタントという選択肢も出てくるでしょう。

一人で解像度を上げるのが難しい場合は、キャリアコンサルタントなど外部の力を使うのも手です。ほかに役立つのは「他己紹介」。仲のよい人が自分自身のことを他の人にどう紹介してくれるのかを見ます。他者の目線は市場に近いので、自分の何がバリューになるのかがわかります。

企業が「自律的な人材」に選ばれるには

── 転職2.0の世界では、自律的に学び続ける人材が求められるはずです。企業側がそうした人材に選ばれるために、採用や育成でどんな点を意識するとよいでしょうか。

この10年で、『ALLIANCE』の世界は日本でも当たり前になっていきます。日本企業の多くはこれまで、新卒から定年まで40年ほど働くことを前提としていました。各事業に詳しいゼネラリストが役員まで上がっていき、社内ネットワークがものをいった。

ところがグローバルな競争が激化し、自社の技術やリソースだけで解決できる課題が減っている。要は企業の戦い方が変わってきているわけです。そんななか、社内外の適切なパートナーとウィンウィンの状況をつくり出せる人材の採用・育成が重要です。

また求職者側は、「この5年でこういった経験を積んで、こんなスキルを身につけたい」などと考えて、会社を選びます。企業側に問われるのは、彼らの成長をどうサポートするか。「本業でこの目標を達成したらこんな力を培うことができる」といった未来図を見せ、研修や書籍費の補助など、能力開発の機会も提供していく必要があります。

── 今後は、広く浅い「ゆるいネットワーク」がますます重要になります。ゆるいネットワークを育てるために、村上さんが実践していることは何ですか。

オンライン・オフライン問わず、自分とは異なる業界にいる面白い人の話を積極的に聞きにいくことです。面白い人は面白い人を知っているもの。誰かにお会いしたら、その人が面白いと思う人を紹介してもらうタモリのテレフォンショッキング方式をとるんです(笑)。

面白がり力がある人は強いですね。自分にとっては何気ない一言も、相手にとっては考えるヒントになる可能性が高い。その意味でも、異なる背景にある人との対話には大きな価値があります。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

独新財務相、財政規律改革は「緩やかで的絞ったものに

ワールド

米共和党の州知事、州投資機関に中国資産の早期売却命

ビジネス

米、ロシアのガスプロムバンクに新たな制裁 サハリン

ビジネス

ECB総裁、欧州経済統合「緊急性高まる」 早期行動
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 5
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 6
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 7
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 6
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 7
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 8
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 9
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 10
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中