最新記事
インタビュー

起業家けんすうが10年以上勧めてきた1冊の本

2018年11月26日(月)16時00分
今井順梨

kougubook181126-2.jpg

Newsweek Japan

アイデアを生み出すのに必要なのは「量」

けんすうさんは、アイデアは考えていれば浮かぶものではなく、生み出すためにはとにかく、何本もの企画を考えることが大事だと考えている。そのために必要なのはマニュアルで、『考具』はそのマニュアルが凝縮されていると語る。


アイデアって多くの人が、考えれば出るものだって思っているけど実は考えても出ない。それは料理と同じで、マニュアルを覚える必要があるんです。だって料理をやったことがない人が「今日はハンバーグを作ろう」と思っても、何も見ずに作れることはほとんどないですよね。アイデアも同じなのに、マニュアルを知らないままで生み出そうとしている人が多いので、「どうしたらアイデアが生まれますか?」と聞かれたら『考具』を勧めています。

でもマニュアルが必要なのはアイデア初心者のうちで、量をこなしていって何百ものアイデアを生み出せるようになれば、「これは面白い」と認められるものが出てくるようになります。だから良いアイデアを生むためには、自分が良いと思うものを1つだけ考えるのではなく、量の提示が大事だと思うんです。(『考具』は)その量を生むための方法論が書いてある感じですね。

2003年に発行されているため、「オフィスのパソコンに来たメールを携帯電話に転送できれば、行動の自由度が一気に高まります」など、今では当たり前になったことも書かれている。一方で今でも十分に活用できる・活用したい項目はあるのだろうか。


いろいろありますけど、モックアップの作り方(※)は参考になります。今ならリアルな模型を作るのではなく、たとえばビジネスマン向けのサービスだったら申し込みページを実際に作って「事前登録を受け付けます」と書き、小さく広告を打ってしまう。それで反応が良かったら本格的に作り、反応が悪かったら作らなくていい(※モックアップに関しては、「ビジュアライズ」という手法の一端として紹介されている)。

このようにウェブ上におけるモックアップを作ってみるのは、外さないアイデアの検証方法ですね。だって誰も反応しなかったら実際のものを作らなくても、誰からも怒られないから。企画書は企画に過ぎないけれど、ページがあれば視覚的にもピンとくるというか、そのアイデアの形が分かるんです。

「旗を立てる仕事」なら、AIに奪われない

この先、ロボットやAIにビジネスを奪われるのではないかと怯える声もある。それについてけんすうさんは、どう見ているのだろうか。


ものにもよると思うんですけど、AIって論理的な発想が苦手で、直感的なもののほうが得意という話を聞いたことがあって。実はライティングや絵を描くとかお笑いをやるとかは、AIの得意分野だとか。だから論理的な仕事や、感情に寄りそうといった人間であることに価値がある仕事は残っていくと思うんですよね。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米JPモルガン 中小企業向け融資を拡大 与信担当者

ワールド

OPEC、3月石油生産がコロナ禍以来の低水準 海峡

ビジネス

米ナイキ、12─2月決算は予想上回る 業績回復には

ワールド

トランプ氏、ロサンゼルスに「強硬姿勢」 サッカーW
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 3
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イラン恐怖」の正体
  • 4
    初の女性カンタベリー大主教が就任...ウィリアム皇太…
  • 5
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 6
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経…
  • 7
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 8
    韓国・週4.5日労働制が問いかけるもの ──「月曜病」解…
  • 9
    アリサ・リュウの自由、アイリーン・グーの重圧
  • 10
    北京に代わる新都市構想は絵に描いた餅のまま...大幅…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 7
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 8
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 9
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 10
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中