メンタル防衛に必要なのに、職場から消えたものは「雑談」と...
睡眠のポイントは、眠ってから4時間の睡眠を大事にすることです。なぜなら「3、4度」の深い眠りはこの間に出るからです。そのあとの睡眠は「おまけの眠り」ともわれています。とくに明け方はうつらうつらの状態が続き、ちょっとしたことで目覚めやすいのですが、眠りの質から言えば、あまり重要ではありません。
『隠れ疲労』などの著書で知られる、疲労医学の研究者、梶本修身大阪市立大学大学院特任教授は、睡眠の質を上げる方法として、1.決まった時間に起きる、2.軽い運動を日々の生活の中に取り入れる、3.40度以下のぬるま湯で半身浴をする、4.寝る1時間前にリラックスタイムを設ける、などを挙げています。反対に、眠りの質を下げるのは、就寝前にスマートフォンをいじる、コーヒー・タバコ・酒などを摂取する、などです。(113ページより)
産業医は同じ会社を長く担当することも多いため、患者を長いスパンで診ることができる。たとえば「うつ状態」で長く会社を休んだあと、「どのように職場復帰したか」「その後の健康状態はどうだったか」といった経過観察が可能だということだ。そして「うつ状態」になってしまった患者のその後を見ていくと、しっかり休んだ人のほうが再発しにくいことがわかるという。
一方、数日でも仕事から離れて、睡眠もとれるようになると、本人は気が楽になるもの。そのためすっかり回復したと思って無理して出社した結果、しばらくしてしんどくなってしまうパターンが多いのだそうだ。
そのため、中途半端に復職を焦ることなく、専門家の指導のもとで十分に休み、薬を服用し、リハビリもきちんと行うことが大切。「そのほうが長い人生においてプラスだと思います」という著者のことばには、大きな説得力がある。
[筆者]
印南敦史
1962年生まれ。東京都出身。作家、書評家。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。現在は他に「ライフハッカー[日本版]」「東洋経済オンライン」「WEBRONZA」「サライ.jp」「WANI BOOKOUT」などで連載を持つほか、「ダ・ヴィンチ」などにも寄稿。新刊『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)をはじめ、ベストセラーとなった『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(ダイヤモンド社)、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』(日本実業出版社)など著作多数。
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