トランプ時代に迎合、ファクトチェック廃止...ザッカーバーグのメタが示す「右傾化の兆候」
Facebook Embraces Donald Trump
ザッカーバーグは長年の間、トランプと対立関係にあった。トランプは2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件を受け、Facebookの利用を禁止された。ザッカーバーグは当時、「選挙で選ばれた後継者に対する平和的・合法的な政権移行を台無しにしようとした」としてトランプを批判していた。
一方のトランプは2020年の大統領選挙でザッカーバーグが自分に対する陰謀を企てたとして非難。もしザッカーバーグが「何らかの違法行為」を行って2024年の選挙に介入すれば、「残る人生を刑務所で過ごさせる」と発言した。さらに、TikTokが禁止されれば自身が「国民の敵」と位置付けるFacebookの人気が高まるとも述べていた。
しかしこの数カ月でザッカーバーグは、次期大統領との関係改善に向けて歩み寄りを見せているようだ。トランプがホワイトハウスを奪還したわずか数週間後には、トランプの別荘マールアラーゴで食事を共にした。メタも他のテック大手と同様に、トランプの就任式に向けて100万ドルを寄付した。
メタが世界政策責任者に据えたカプランは、ジョージ・W・ブッシュ政権で要職にあった長年の共和党員だった。このニュースを最初に伝えたSemaforによれば、カプランは政治的発言の制限に対し、社内で最も声高に反対を唱えた勢力の一人だった。
加えてトランプの側近で総合格闘技団体UFCのダナ・ホワイトCEO兼社長も、メタの取締役に就任した。
シラキュース大学教授(政治科学)のグラント・デイビス・リーハーはメタのこうした動きについて、本誌にこう語った。「メタなどのメディア大手がここ数年でリベラル寄りに傾き、政治的に民主党に有利な編集判断を下すようになったという感覚が一般の間で強まったことを受け、むしろ同社はバランスを取り直そうとしている」
「それが具体的な何かに対する反応だとすれば、トランプ本人やトランプの大統領就任よりも、むしろ選挙結果全般に対する反応だと私は思う。常に念頭に置くべきは、こうした組織の核心は利益の追求にあり、国民の半分を遠ざけることになれば成長は見込めないということだ」とリーハーは話している。
(翻訳:鈴木聖子)
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