最新記事
半導体

サムスン電子の営業利益が15倍以上に増加...半導体好調

2024年7月5日(金)13時51分
韓国サムスン電子

韓国サムスン電子は7月5日、第2・四半期の営業利益が前年同期の15倍以上に増加するとの見通しを示した。1月15日、ソウルで撮影(2024年 ロイター/Kim Hong-Ji)

韓国サムスン電子は5日、第2・四半期の営業利益が前年同期の15倍以上に増加するとの見通しを示した。人工知能(AI)ブームを背景に半導体価格が回復しており、比較対象の前年同期が低調だったこともあり、利益が押し上げられた。

営業利益は10兆4000億ウォン(75億4000万ドル)の見通し。2022年第3・四半期以来の高水準で、LSEGがまとめた市場予想の8兆8000億ウォンを上回った。前年同期は6700億ウォンだった。


 

売上高は23%増の74兆ウォンの見通し。

半導体部門の業績は2四半期連続で改善する見込み。22年半ばから23年末にかけて低迷していた半導体価格が上昇を続けていることが背景にある。

アナリストによると、AIチップセットに使用される広帯域メモリー(HBM)チップなどの高性能DRAMチップや、データセンターのサーバー向け、AI搭載端末向けチップの需要が爆発的に増加し半導体価格の上昇につながっている。

データ会社トレンドフォースによると、第2・四半期の半導体価格は、ハイテク機器に使用されるDRAMで前期比約13─18%、データストレージに使用されるNANDで15─20%上昇した。

ただ、半導体価格の上昇は第3・四半期に鈍化する可能性がある。消費者向け電子機器市場における旧式半導体(レガシーチップ)の需要が依然として低迷しているため、トレンドフォースは従来のDRAMとNANDの両方で5─10%の程度の値上がりを予測している。

ダオル・インベストメント・アンド・セキュリティーズのアナリスト、コ・ヨンミン氏は「今月末の決算発表ではサムスンのレガシーチップに関する見通しが注目される。これは半導体業界の回復が来年まで続くかどうかを探るヒントになる」と語った。

HBMやソリッドステートドライブ(SSD)などの高性能半導体に対するAI主導の需要は市場の他のセグメントを上回るとアナリストは予想している。ただ、サムスンは、エヌビディアなどの顧客への高性能HBMチップ供給で韓国の競合SKハイニックスに遅れをとっている。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20250225issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年2月25日号(2月18日発売)は「ウクライナが停戦する日」特集。プーチンとゼレンスキーがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争は本当に終わるのか

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国副首相が米財務長官と会談、対中関税に懸念 対話

ビジネス

アングル:債券市場に安心感、QT減速観測と財務長官

ビジネス

米中古住宅販売、1月は4.9%減の408万戸 4カ

ワールド

米・ウクライナ、鉱物協定巡り協議継続か 米高官は署
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中