最新記事
経営

「集中力続かない」「ミスが増えた」...メンタル不調への対処は「睡眠負債」と「マルチタスク」がカギ

2024年5月30日(木)19時35分
日下慶子 ※経営ノウハウの泉より転載

成人では一日7~9時間の睡眠時間が必要とされています。ただ、どうしても一日7~9時間の睡眠時間が確保できない方もいらっしゃいますし、一人ひとりに必要な睡眠時間は異なります。まずは、自分の現状を知ることから始めましょう。

一つの目安としては、日中の眠気の有無です。午後1時から3時頃に眠気が起こるのは自然なことでもありますが、仕事中に居眠りしたり、いきなり寝落ちしたりするようなことがあれば、夜間の睡眠が足りていないことが懸念されます。

まずは自分の睡眠の現状を把握し、自分にとって十分な睡眠時間はどれくらいなのかを見つけていきましょう。

【出典】
A Narrative Review of the Literature on Insufficient Sleep, Insomnia, and Health Correlates in American Indian/Alaska Native Populations/Lombardero A, Hansen CD, Richie AE, Campbell DG, Joyce AW
National Sleep Foundation's sleep time duration recommendations: methodology and results summary/Hirshkowitz M, Whiton K, Albert SM, et al.

■対応2:一つのことに集中する習慣をつくる

次に取り組んでいただきたいのが、マルチタスクを避けて、一つのことに集中する習慣をつくることです。

マルチタスクをすると、リソースが分散されて、作業効率が悪くなります。効率よく進めようと同時並行でタスクに取り組んでも、実は逆効果なのです。

そこで、マルチタスクはできるだけ避けて、一度に取り組むタスクは一つにして、上手に注意を切り替えていくことが重要なのです。

ただ、注意を切り替えようとしても、心配ごとがあればそちらに注意が向きがちになったり、チャットなどの通知音に注意が妨げられて、うまく集中できないということはよく起こります。

集中したい大切な作業のときは、通知音や呼び出し音をオフにしておく、関係のないものをデスクから遠ざけるなどの環境づくりも重要です。

(参考記事)曖昧な休職ルールはNG。メンタルヘルス不調者に対応する就業規則のポイント

セルフケアがうまくいかない場合の対策

睡眠、リラックス、マルチタスクを避けるなどのセルフケアに取り組んでみても、今一つ効果が感じられない、あまり状況がよくならないというときは、専門家に頼ることもご検討ください。

どのような相談窓口があるかについては、会社の体制によって異なります。社内に保健師や産業医などの医療職が常駐していて、希望すれば面談を受けることができる会社もあれば、外部の相談窓口と提携していて電話でのカウンセリングサービスを利用できる会社もあります。

社内で相談窓口がなくても、睡眠や身体的な不調についてはメンタルクリニックの受診、悩みごとに関してはカウンセリングサービスを使うなど、利用できるサービスは近年増えています。最近では、オンラインでの診察やカウンセリングを受けられる機関も増えています。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英中銀が金利据え置き、量的引き締めペース縮小 長期

ワールド

台湾中銀、政策金利据え置き 成長予想引き上げも関税

ワールド

UAE、イスラエルがヨルダン川西岸併合なら外交関係

ワールド

シリア担当の米外交官が突然解任、クルド系武装組織巡
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 5
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 7
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中