「集中力続かない」「ミスが増えた」...メンタル不調への対処は「睡眠負債」と「マルチタスク」がカギ
成人では一日7~9時間の睡眠時間が必要とされています。ただ、どうしても一日7~9時間の睡眠時間が確保できない方もいらっしゃいますし、一人ひとりに必要な睡眠時間は異なります。まずは、自分の現状を知ることから始めましょう。
一つの目安としては、日中の眠気の有無です。午後1時から3時頃に眠気が起こるのは自然なことでもありますが、仕事中に居眠りしたり、いきなり寝落ちしたりするようなことがあれば、夜間の睡眠が足りていないことが懸念されます。
まずは自分の睡眠の現状を把握し、自分にとって十分な睡眠時間はどれくらいなのかを見つけていきましょう。
【出典】
A Narrative Review of the Literature on Insufficient Sleep, Insomnia, and Health Correlates in American Indian/Alaska Native Populations/Lombardero A, Hansen CD, Richie AE, Campbell DG, Joyce AW
National Sleep Foundation's sleep time duration recommendations: methodology and results summary/Hirshkowitz M, Whiton K, Albert SM, et al.
■対応2:一つのことに集中する習慣をつくる
次に取り組んでいただきたいのが、マルチタスクを避けて、一つのことに集中する習慣をつくることです。
マルチタスクをすると、リソースが分散されて、作業効率が悪くなります。効率よく進めようと同時並行でタスクに取り組んでも、実は逆効果なのです。
そこで、マルチタスクはできるだけ避けて、一度に取り組むタスクは一つにして、上手に注意を切り替えていくことが重要なのです。
ただ、注意を切り替えようとしても、心配ごとがあればそちらに注意が向きがちになったり、チャットなどの通知音に注意が妨げられて、うまく集中できないということはよく起こります。
集中したい大切な作業のときは、通知音や呼び出し音をオフにしておく、関係のないものをデスクから遠ざけるなどの環境づくりも重要です。
(参考記事)曖昧な休職ルールはNG。メンタルヘルス不調者に対応する就業規則のポイント
セルフケアがうまくいかない場合の対策
睡眠、リラックス、マルチタスクを避けるなどのセルフケアに取り組んでみても、今一つ効果が感じられない、あまり状況がよくならないというときは、専門家に頼ることもご検討ください。
どのような相談窓口があるかについては、会社の体制によって異なります。社内に保健師や産業医などの医療職が常駐していて、希望すれば面談を受けることができる会社もあれば、外部の相談窓口と提携していて電話でのカウンセリングサービスを利用できる会社もあります。
社内で相談窓口がなくても、睡眠や身体的な不調についてはメンタルクリニックの受診、悩みごとに関してはカウンセリングサービスを使うなど、利用できるサービスは近年増えています。最近では、オンラインでの診察やカウンセリングを受けられる機関も増えています。