ドル下落、中国による追加刺激策への期待で(NY外為)
終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが下落した。2022年2月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)
終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが下落した。中国が低迷する不動産市場を下支えするために住宅ローン基準金利を引き下げたことを受け、世界的な成長を後押しする追加刺激策への期待が高まった。
一方、日本円は上昇したものの、先週12日に付けた11週間ぶりの安値である1ドル=150.88円近辺にとどまった。市場では円安の再燃が日銀や財務省の介入を促すかどうかが注視されている。
中国人民銀行(中央銀行)は20日、銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)の5年物を25ベーシスポイント(bp)引き下げた。引き下げ幅は2019年に貸出金利のメカニズム見直しが行われて以降最大で、アナリストの予想を大きく上回った。
フォレックスライブのチーフ通貨アナリスト、アダム・バトン氏は「中国がアクセルを踏み込めば、世界の成長は回復するという考え方がある。そうなれば、ドル売りや新興国市場への資金流入が始まる」と述べた。
ブルームバーグは18日、中国の李強首相が国務院の会議で、参加した当局者に対し経済に対する国民の信頼を高めるため「現実的で力強い」行動を取るよう促すとともに、景気低迷と株安を巡る政府の懸念を強調した。
豪ドル/米ドルは0.20%高の0.6550米ドル。一時2月2日以来の高値となる0.6579米ドルを付けた。
オフショア人民元は2月7日以来の高値となる1ドル=7.1963元まで上昇した。