最新記事
ヘルス

10万件の悩み相談を受けた精神科医が気付いた、メンタル不調を抱えてしまう人の「共通項」

2023年4月4日(火)17時57分
flier編集部

──たしかに、日本人はあまり「助けて」と言いませんね。世代的な傾向はありますか?

私は世代ではなく時代的な問題があると思います。東日本大震災のあった2011年まではお金が価値観の中心でしたが、震災以降は「絆」や「つながり」という言葉が言われるようになり、「心の時代」に変わりました。そして今度はコロナになって、「コミュニケーションしたいけどできない」という時代になった。だから今は自分の気持ちをあえて言語化したり、友達と会ってコーヒーを飲んだりとか、そういうことが大切だと思います。

悩みは「解決」しなくていい

──本書では、悩みを「解決」ではなく「解消」すると表現していることが印象的でした。

みなさん悩みや問題があったら、解決しようとしますよね。解決とは、原因を見つけて対処することです。でも原因ってそう簡単には取り除けないですよね。そうすると「ああ無理だ!」となって、どんどん落ち込んでいくわけです。

では、解消とはどういうものか。マイナス10をいきなり0にするのが解決ならば、マイナス9にするのが解消です。たとえば、人に話を聞いてもらうだけでスッキリして元気が出た、となると、もうマイナス9になるわけです。できることをひとつずつやっていくことによって、マイナス8になり7になり、気がついたらマイナス3くらいになっている。すると「なんとかなる」って思えますよね。

──つまり、マシにしていくということですね。

あと、精神的に余裕がもてると良いアイデアが出てくるんですよ。マイナス3くらいになったら「これもやったらいいなあ」と思えてくるので、ポンポントーンと0になっていきます。本書『言語化の魔力』はマイナス10を0にしていく本ですが、前著の『毎日を楽しめる人の考え方』(きずな出版)は、0を10にする本なんです。日々の生活で「映画面白かったわ」「友達と飲みに行って楽しかった」というとプラス1で、それをどんどん増やしていくとプラス10になります。たとえ今がマイナスでも楽しいことを増やしていけば、プラスにすることもできるんですよ。

230323fl_rsg03.jpg

毎日を楽しめる人の考え方
 著者:樺沢紫苑
 出版社:きずな出版
 要約を読む
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

「雑談」が悩めるビジネスパーソンを救う

──ビジネスの世界では、自分の本音や弱みを隠して頑張っている人も多いと思います。ビジネスパーソンの悩みを解消するにはどうしたらいいでしょうか。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米CB景気先行指数、8月は予想上回る0.5%低下 

ワールド

イスラエル、レバノン南部のヒズボラ拠点を空爆

ワールド

米英首脳、両国間の投資拡大を歓迎 「特別な関係」の

ワールド

トランプ氏、パレスチナ国家承認巡り「英と見解相違」
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 6
    アジア作品に日本人はいない? 伊坂幸太郎原作『ブ…
  • 7
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 10
    「ゾンビに襲われてるのかと...」荒野で車が立ち往生…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 10
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中